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「ゲンと不動明王」の松山善三のオリジナル・シナリオを「香港の夜」の千葉泰樹が監督した。現代家族制度の一面をえがく異色作、撮影は「トイレット部長」の玉井正夫。Perspecta Stereophonic Sound。

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赤木家の長男健介は大学を卒業して一流の海運会社のサラリーマンだが、両親の反対を押し切ってバーの女葉子と結婚、子供と三人で幸福に暮らしている。高校を出た次男の正二はタクシーの運転手として働き、妹の紀子は健介の会社のエレベーターガールを勤めていた。これらのバランスが或る日崩れてしまった。父信三郎が小学校の校長を停年で退き、裁判所に勤めていたが上役と衝突して突然職を失ってしまったからである。家族会議の結果、退職金をもとに白タクを開業、正二が父母を養っていくことになった。一方紀子にはしつこく求婚するボイラーマンの寺岡がいたが、紀子は決心がつかないでいた。その紀子を部長の阿部が見染めた。健介は大乗気である。二カ月経っても健介の家からは一銭の援助もなかった。健介は父母を養老院にやろうとする下心があった。正二にしても、幼い頃から健介は両親に可愛がられ出世コースを辿っているのにくらべ、自分は大学にも行かせてもらえなかった、そんな不満が常に心の中にあった。或る晩、正二の車は熱海の帰りに事故を起してしまった。正二は奇蹟的に助かったが車はつぶれ、十五万円の賠償金を負うハメとなった。不幸は不幸を呼んだ。紀子が阿部部長の家に呼ばれ、求婚された晩のことである。その帰途、紀子は嫉妬に狂った寺岡のナイフで殺された。余りのことに信三郎は自殺を図るが老妻に発見され未遂に終った。通夜の席上で正二は健介をせめた。春の訪れ近い冬の朝、健介はトラの子の貯金をそっくり弟の正二に渡してやった。骨肉の絆だけがもたらす暗黙の和解が、固く閉ざされていた赤木家の扉にも春を招いたのである。どちらからともなく肩を寄せあった二人の息子の表情は明かるかった。

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作品データ

原題 Different Sons
製作年 1961年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 94
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スタッフ

監督 千葉泰樹
製作 藤本真澄
脚本 松山善三
撮影 玉井正夫
音楽 伊福部昭
美術 阿久根巖
編集 大井英史
録音 伴利也
スチル 高木暢二
助監督 小松幹雄
照明 高島利雄
製作担当者 井上卓之

キャスト

赤木信三郎 藤原釜足
望月優子
健介 宝田明
葉子 白川由美
由美 坂部のり子
正二 加山雄三
紀子 藤山陽子
トミ 原知佐子
寺岡 田浦正巳
阿部部長 小泉博
所沢 堺左千夫
品田 藤木悠
今泉 池田生二
安藤久満 志村喬
土屋詩朗
代書屋の主人 佐田豊
老人 夏木順平
さち 浜美枝
野木 中山豊
少女A 丘照美
少女B 河美智子
少女C 笹るみ子
闇屋のおばさん 三田照子
バーの女A 忍和代
バーの女B 田辺和佳子
セールスマン 大村千吉
タクシー社長 丘寵児
安藤家の嫁 東郷晴子
葬儀屋の親父 沢村いき雄
おでん屋の親爺 織田政雄
パンク直しの主人 広瀬正一
煙草屋の娘 矢野陽子
中古車のセールスマン 岡豊
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