男はつらいよ 寅次郎春の夢|MOVIE WALKER PRESS
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男はつらいよ 寅次郎春の夢

1979年12月28日公開,104分

お馴染“とらや”に外国人が転がり込んで寅次郎と繰り広げる騒動を描くシリーズ第二十四作目。脚本は「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」の山田洋次、同作の朝間義隆、「太陽を盗んだ男」のレナード・シュレイダーと栗山富夫の共同執筆、監督も同作の山田洋次、撮影も同作の高羽哲夫がそれぞれ担当。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

秋祭りもたけなわで、寅次郎は柴又に半年近くも帰っていない。その頃、帝釈天の境内を散歩していた御前様は、ベンチでふさいでいた外国人を見つけた。英語の苦手な御前様は、さくらに頼んで満男の通う英語塾の女子大生、めぐみ先生に来てもらった。彼女の話では、この外国人はマイケル・ジョーダンと言い、ビタミン剤のセールスに日本へ来たが商売はうまくいかず、無一文になってしまったそうだ。そんなことで、マイケルは“とらや”に転がり込むことになった。おばちゃんがビフテキを作ってご馳走しているところに寅次郎が帰ってきたから大変だ。「俺にはイモしか食わせないのに」と寅とマイケルはとっくみあいの喧嘩となった。めぐみと母親の圭子がやってきて何とかその場は収まったが、二人は面白くない。しかし、寅は圭子の美しさにソワソワしだし、おまけに彼女の夫は交通事故で亡くなったと聞いたので、“とらや”一同はまた恋の病がはじまったと心配顔。しかし、マイケルと寅は怒りがおさまらず別々に旅に出てしまった。その二人が伊豆でバッタリ出会い、憎み合っていたのも忘れ、旅は道づれということで意気投合しての二人旅がはじまった。うちとけたところで、マイケルが寅に「ワタクシは寅さんの妹のさくらさんが大好きです」と語る。これには寅も驚いた。「さくらは亭主持ちたんだ……」と説明するが、マイケルの気持は変わらない。そんなマイケルの情熱に、寅も圭子の顔を思い浮かべた。数日後、二人は再び柴又に戻った。ある日、マイケルがさくらに胸の内を伝えると、彼女はめぐみに「私は夫を心から愛している」と話してもらう。ふられたマイケルは帰国を決心する。一方、寅もめぐみに圭子に対する愛を伝える。だがめぐみの答えは「私にはお父さんは一人しかいないのです」とやさしく言われ、寅は例のごとく故郷柴又を後にして南に旅立つのでった。

作品データ

製作年
1979年
製作国
日本
配給
松竹
上映時間
104分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.8
  • たっかん

    5
    2013/7/13

    「公開時の映画館」で、初めてみた寅さんシリーズがこの作品だった。久しぶりに再見。

    初見は、1979年12月29日、日本橋にあった三越劇場で鑑賞。
    この映画館、当時としては珍しく『もの凄く豪華な椅子』だったので感激した。あの感激は忘れられない。

    マドンナは、香川京子。
    ハーブ・エデルマンが外国人版の寅さんを演じる作品。
    この日米寅さんの対比が瀟洒で、面白かった。
    「映画館でこれだけ笑えることはあまりない。寅さんシリーズをこれからも過去作品も全部観よう」と決めたのが、この映画を初めて観た日であった。→結局、寅さん全作品鑑賞済。

    冒頭の「夢シーン」は「サンフランシスコのチャイナタウンで撃たれる寅、それを助ける女(倍賞)」。

    一方、柴又では知り合いからもらったブドウが、とらや2階の寅の部屋いっぱいに広がっている。そこに、寅が帰ってきて、持ってきた土産が「少しばかりのブドウ」。2階に行こうとする寅を遮るおいちゃん・おばちゃん・さくら。笑えるブドウ事件。

    御前様に外人が話しかけるが全然わからない。御前様がとらやに連れてくると、そこに居た香川京子が英語話せるとわかった御前様が「この人に、ペーラペラ」は(笑)
    結局、御前様の「日米親善のためにどうかな?」とその外人マイケル・ジョーダン(ハーブ・エデルマン)を2階の寅の部屋に泊めさせることにする。(マイクとかマイコとか呼ばれる。)
    こうした見知らぬ外人を自分の家の一間に泊まらせるという大らかさは、古き良き日本という感じがする。

    「日本人の体格は大きくなってきている。しかし体力は落ちてきている。何故か、それはゲタを履かなくなったから。ゲタの鼻緒は足のツボにいいんだね、これが!」とバイしている寅。
    横には、ポンシュウが居る。

    寅がとらやに帰ると、アメリカ人に2階貸しているため、慌てるとらやの人々が可笑しい。
    そして、寅さんに「アメリカ人は好きかい?」と聞いたら、「大っ嫌い!」・「だいたい日本に黒船でやってきて、大砲ぶっ放して、無理やり仲良くしましょう。この態度が気に食わない。嫌いだね」と言いながら外人寅さんに出会う。
    「なんだあの怪獣!」と息巻く寅さんだが、香川京子と林寛子が居る前では、「いい人だようね、あの芸者」←舞子(マイコ)の間違い(笑)
    と言いつつ、香川京子たちがいなくなると大ゲンカする寅とマイク。この店先での喧嘩シーンを真上から撮ったショットはこのシリーズでは珍しい。

    田舎で「蝶々夫人」を観劇して、さくらの夢見るマイク。そして隣の殿山泰司に抱きつく(笑)

    なんだかんだあって、マイクはさくらに振られて、香川京子には親戚(夫)になりそうな石油船の船長がいることを知った寅。
    二人は揃って、とらやを去る。
    それで終わりではなく、二人が居酒屋で大騒ぎする場面と、寅がマイクにお守りをあげて上野駅前で別れるシーンあり。

    マイクが飛行機の上から見下ろす江戸川、そして江戸川沿いの土手から空の飛行機を見上げるさくら。

    二人が去った後、林寛子がタコ社長の職工とスキーに出かける場面あり、林寛子が「母が今晩お邪魔していいですかって」→「どうぞどうぞ」と答えるあたり、敷居の低い昔の日本的家庭の象徴的場面であった。

    現代では忘れてしまったような古き良き日本人の姿を描いたこの映画、素晴らしい作品である。

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    ネタバレあり
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  • UE 

    4
    2007/1/8

     マイケル・ジョーダン(レナード・シュレーダー演)は、正しくアメリカ版の寅さんですね。ただし、さくらに告白をするところが、やはり、アメリカと日本の違いですね。

     寅さんが実は尊皇攘夷だった、ということも明らかになります。(寅さんが、尊皇攘夷の意味を理解しているとは思えないのですが。)

     いずれにせよ、シリーズの中でも、また少し違う味が出ています。いつもの、最後のシーンでの手紙の朗読も英語です。

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