実録外伝 大阪電撃作戦|MOVIE WALKER PRESS
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実録外伝 大阪電撃作戦

1976年1月31日公開,92分
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昭和35年の大阪を舞台に、戦後最大規模の暴力団抗争事件を描いたアクション映画。脚本は「強盗放火殺人囚」の高田宏治、監督は「極道社長」の中島貞夫、撮影も同作の増田敏雄がそれぞれ担当。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

昭和35年の秋。当時、大阪のヤクザ達は、外には、日本最大のやくざ組織である神戸川田組の影に怯え、内には、大阪双竜会を始めとする戦後派不良グループの跳梁に手を焼いていた。大阪の中心部・ミナミの盛り場一帯は、石村組と南原組が勢力を二分していたが、これに双竜会が加わり、連日、凄まじい抗争が展開されていた。ところが、石村組が双竜会のチンピラを傷めつけたために、双竜会の報復を恐れた他の組は、石村組を見捨ててしまった。かねてから、大阪進攻を狙っていた川田組の斬り込み隊長・山地は、天王寺で売り出し中の新興暴力団・大東組の組長・大東次郎を舎弟分にするとともに、桜川の掛川組を石村組へ派遣して石村組へのテコ入れを計った。一方、双竜会と同盟を結び、川田進攻を阻止しようとする南原は、山地暗殺を企て、双竜会の安田、南原組の宮武、高山を中心に〈暗殺隊〉を編成した。だが、間一髪のところで暗殺は失敗、逆に南原は、大東組の金崎に脅され、双竜会との縁切り、山地への全面協力を約束してしまった。高山の身の危険を察した宮武は、高山に金を渡し、大阪を出るように命じるが、金を投げ返した高山は、いずこへともなく姿を消した。一方、南原の裏切りで動揺した双竜会々長の趙は、安田に暗殺隊の解散を命令した。だが、山地暗殺に執念を燃やす安田は、同じ志の高山を探した。そして、場末のバーで狂ったように酒を浴びている高山を見つけた。安田に誘われ、とあるクラブに行った高山は、その店で歌う小山淑子に一目惚れし、彼女を抱かせろ、と安田に要求した。一瞬、困惑の表情を見せた安田だが、高山の言う通りに、淑子を与えた。以来、高山は彼女との情事に溺れていったが、淑子が実は、安田の妻である事を知らなかった。数日後、南原の経営するクラブで気勢をあげていた安田が、三代目川田組々長にからみ、三代目の舎弟分の友田組々長に重傷を負わせる事件が起った。この事を知った高山は、逮捕された安田をつけ狙っている友田組の裏をかき、安田を無事に警察署から連れ出した。この事件で狼狽した趙は南原に相談し、大東を通じて山地に謝罪し、安田を差し出す事を約束した。そして、山地の指令による双竜会狩りと呼ばれる“人間狩り”が開始された。やがて、高山が大東組に拉致された。この事を知った安田は、自らの穏れ家を南原に教え、宮武をおびき出し、高山の身柄と引きかえる手段に出た。二人が交換される時、意を決した宮武は高山に抱きつき、と同時に、金崎のマシンガンが二人めがけて火を吹いた……。数日後、指をつめた趙、安田以下七名の幹部が手打ち式に出向いた。だが、安田一人が別室へ呼ばれ、大東の命令で身体検査が行なわれた。安田は隠し持っていたメスで、大東を刺し殺すが、金崎らの一斉射撃に、安田は蜂の巣のようになり、非業な死を遂げた。かくして、双竜会の全面的無条件降状により、川田組の大阪進攻作戦の幕は降りたのであった。

作品データ

製作年
1976年
製作国
日本
配給
東映
上映時間
92分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.3
  • 晴耕雨読

    5
    2009/5/25

     昭和30年代、神戸の一地方組織暴力に過ぎなかった山口組を一躍日本中に名前を轟かせることになった抗争事件を描いた迫真の映画です。全国制覇の参謀長を務めた若頭・地道行雄役を小林旭が貫禄たっぷりに演じていますが、実在する人物に焦点をあてているために、映画、「日本暴力列島・京阪神殺しの軍団」の主人公になった柳川魏志(別名は次郎。本名は梁元錫。)氏を成田三樹夫が演じて、脇役としてキャスティングしています。柳川魏志氏は堅気になってから、国際空手道連盟・極真会館の大山倍建総裁や国際松涛館空手道連盟の金沢弘和館長の刎頚の友として特別相談役におさまり日韓のロビーストとして活躍しましたが、稼業の時代には菱形の代紋の尖兵として獅子奮迅の活躍をしていました。映画は昭和35年に起きた在日外国人たちの愚連隊が泥沼のような差別からのし上がろうとして、大阪の伝統ヤクザ組織に挑戦するのですが、大阪は西日本最大の商業圏であり、その利権は莫大なものです。大阪のシマを狙っていたのは、在日不良連合だけではなく、神戸本家の菱形バッジもそうであり、その三代目を丹波哲郎が演じています。

     映画は大阪で実際に起きた在日愚連隊の双竜会(映画での表記)事件を背景に、巨大組織の傘下に入ることを潔しとしない大阪・南原組(映画での表記)の渡瀬恒彦と双竜会の松方弘樹がタッグを組んで、日本最大の広域暴力団に蟷螂の斧で歯向かって行くアクション映画です。双竜会は昭和28年頃、大阪の鶴橋駅高架下の国際マーケットや生野区猪飼野を中心に結成された新興愚連隊組織で会員の大半は韓国人と朝鮮人だった。

     この愚連隊メンバーは大阪・南のサパークラブで、泥酔のあまりに有名演歌歌手のT氏に強引に酒を奨めますが、そこには三代目の丹波哲郎も同席していたのです。後になって取り巻き連中から三代目の存在を知りますが、覆水盆に帰らずで、双竜会絶滅作戦が開始されます。監督は東大で美学を学んだ中島貞夫。脚本は「仁義なき戦い・完結篇」の高田宏治、音楽は西村三郎なのですが、津島利章の名曲「仁義なき戦い」をアレンジしたような勇壮なメロディが壮絶なアクション映画を作り上げました。

     絶体絶命に追い込まれた双竜会の愚連隊たちが、芸者をあげての乱痴気騒ぎをするシーンは、明日なき命を運命として受け入れていた神風特別攻撃隊隊員たちの史実を彷彿とさせます。筋もん対虫けらの戦いは筋もんの圧倒的物量作戦を前にして完膚なきまでに叩きのめされますが、血気盛んな若者たちは次々に倒れていく中で、トップたちは巧妙な政治的解決で自らの生命を護ってしまう結論に虚無感を覚えます。深作欣二監督、佐藤純弥監督に次ぐ第三者、中島貞夫監督による日本アクション映画屈指の傑作です。

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