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東京へ行ったまま帰ってこない許嫁を探しに北海道からやって来た大男が、歌を歌えなくなった美しいオペラ歌手との真実の愛を見つけるまでを描く。小桧山博の同名小説の映画化で、脚本を「黒いドレスの女」の田中陽造が執筆。監督は「雪の断章 情熱」の相米慎二、撮影は「青春かけおち篇」の長沼六男がそれぞれ担当。

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松波仙作は熊皮チョッキに乗馬ズボン、顔中ひげだらけのうえに裸足という出で立ちで北海道滝ノ上の山奥から東京へやって来た。体格のいい、見上げるような大男である。上京の目的は東京へ出たまま戻らない許嫁の桜栗子を探すためだった。しかし、東京のどこへ行ったらいいのかわからない仙作は荒涼とした埋立地へと来てしまった。前方のゴミの山のてっペんに女が立って歌を歌っていた。そのかたわらで男がピアノを弾いている。女は小山芳乃という歌を歌えなくなったオペラ歌手で、男は尻内といって秘密クラブのオーナーであった。尻内の栗子を知っているという言葉に誘われて、仙作はデスマッチを売り物にする「クラブ・ジョコンダ」に顔を出した。リングの上では2人の大男が殺し合いをしており、それをゲイのホステスや金持ちの客たちが面白そうに見物している。仙作はその勝者と対戦し、力まかせに相手をねじ伏せた。仙作は栗子が働いているという新宿のスナックを訪ねた。仙作との再会を素直に喜ぶ栗子だったが、それでも北海道へ帰る気はなかった。何かが栗子を変えてしまったのだ。仙作は東京へ来てからずっとジョコンダのリングで賞金稼ぎをしていた。彼にとって友達と言えるのは同じ北海道出身の赤沼というダンサーだけだった。赤沼もまた逃げた女房を探しに東京へ出てきていたのである。ある晴れた日、仙作、芳乃、赤沼の3人はジョコンダの船で沖へ出た。キャビンで踊る赤沼、芳乃はオペラ風に「港町十三番地」を歌っている。栗子が風邪で寝込んでいると聞き仙作は見舞いに行くが、そこで尻内と栗子が抱き合っているのを見てしまう。ジョコンダのリングで仙作は尻内に闘いを挑むが、予想以上に強く話にならない。仙作が痛めつけられるたびに芳乃が悲鳴のような声で「アリア」を歌うがいつの間にかそれが本当の歌になっている。仙作は尻内に負け栗子に別れを告げ、滝ノ上へ戻る決心をする。仙作は突然思い出したように芳乃に、「嫁さんになってくれ」という。プールサイドで抱き合う2人。そのとき遠くで消防車のサイレンが鳴り響いた。新宿駅西口のバスターミナルでバスが燃えている。赤沼は芳乃からもらった「アリア」のテープを聴きながら焼身自殺をしたのだ。コンサートの舞台で成功し、歌手となった芳乃。電話では仙作に「もう会えない」と言った芳乃だが彼を追って北海道までやって来た。しかし、仙作とはすれ違いで、赤沼の残した息子を訪ねた。仙作の家に女のかすれた声で電話が入っていた。「仙ちゃん、助けて」という。栗子に違いないと思った仙作はヒゲをそり、真っ赤なコーデュロイのスーツを着て、再び東京へ舞い戻った。栗子はマンションから飛び降り自殺を計り、半身不髄で精神病院に入院していた。車イスを押しているのは芳乃だ。栗子は西口でバスに放火したのは仙作だと思い込み、尻内を待っているうちにクスリを飲み過ぎておかしくなってしまったのだ。仙作は栗子を芳乃にあずけ、ジョコンダに乗り込む。尻内が拳銃を抜く前に、仙作の投げた手斧が尻内の肩口を裂いたが殺しはしなかった。芳乃から栗子の死を知らされ、仙作は芳乃を北海道・滝ノ上へ連れて帰った。喜びいっばいの仙作は山の上で大きくジャンプした。

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作品データ

原題 Luminous Woman
製作年 1987年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 118
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スタッフ

製作 羽佐間重彰大川功矢内廣山本洋入江雄三宮坂進
企画 宮坂進佐藤正大
プロデューサー 伊地智啓山本勉
原作 小桧山博
脚本 田中陽造
監督 相米慎二
撮影 長沼六男
音楽 三枝成彰
美術 小川富美夫
録音 中野俊夫
照明 熊谷秀夫
スチール 安保隆
編集 鈴木晄
助監督 大谷康之
常森寿子

キャスト

松波仙作 武藤敬司
桜栗子 安田成美
小山芳乃 秋吉満ちる
赤沼 出門英
ヒロシ 児玉茂
赤沼光一 伊勢将人
バスの運転手 レオナルド熊
ママ 中原ひとみ
尻内 すまけい
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