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巨匠・吉田喜重の代表作26本を一挙上映。ニュープリントでの公開となる「人間の約束」では、社会問題となったボケ老人の安楽死をを通して、夫婦や親子の絆を見つめる。

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東京都多摩市の新興住宅地にある森本依志男宅で、寝たきりの老母、タツが死んでいた。安らかな死に顔ではあったが、所々にうっ血の跡が認められたため、田上刑事と吉川刑事は自然死ではないと推測する。予想どおり、その日の夕方、タツの夫の亮作が、自分が絞殺したと自首する。驚く依志男と律子。だが、田上刑事に語る亮作の言葉は支離滅裂だった。彼も取り調べ室で失禁するほどに惚けていだのである。森本家は依志男と律子の夫婦、子供の鷹男と直子、それに依志男の両親である亮作とタツの夫婦と三世代が同居していた。かつては平和な日々が続いていたが、タツに惚けの症状があらわれてからは、家庭内に波風が立ち始めてきたのだった。失禁を恐れてタツをトイレに押しこむ律子。そんな律子をタツは「鬼!」とののしり、なにかと彼女の看護をきらう。見かねた亮作は、タツを老人専門病院に入院させてしまう。だが彼自身にも惚けの症状があらわれはじめ、一人故郷の村に帰り、先祖の墓を掘り起こしては、自分をここに埋めてくれと叫んだりするのだった。タツを老人病院に入院させたものの、不憫に感じた律子は彼女を退院させ、家で面倒をみることにする。そんな律子に慰めの言葉をかける依志男。しかし律子は、「あなたの浮気よりはましよ」と、冷たく言い放つのだった。というのも、依志男には冴子という愛人がいて一度は関係が切れかかったものの、まだ別れずにいたのである。家に戻ったタツと律子の間には、以前にも増した憎しみ合いが続く。そんなある晩、タツを風呂に入れていた律子は、発作的に湯舟に横たえたタツの体から手を放し、沈んだままの彼女を見つめ続ける。律子は我にかえりタツは一命をとりとめる。そんな律子に亮作は、タツを楽にするなら、自分がやると言う。その後、亮作はガス栓をぬいて、タツと心中をはかる。その時は依志男に助けられたが、家庭崩壊は日増しに深刻化していった。タツは律子を遠ざけ、紙オムツさえも依志男にかえさせはじめる。そしてことあるごとに死なせてと、タツは叫ぶのだった。ある夜、皆が寝静まった頃、タツが枕元の洗面器の水に顔をつっ込んだ時、依志男は後から、そっと押さえつけた。火葬場に向かう車中で依志男は涙ながらに、それを告白するのだった。

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作品データ

原題 A Promise
製作年 1986年
製作国 日本
配給 東宝東和
上映時間 124
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スタッフ

監督 吉田喜重宮内婦貴子
製作 高橋松男谷島茂之斎藤安代
プロデューサー 藤本潔山口一信中道長吉
原作 佐江衆一
脚本 吉田喜重宮内婦貴子
企画 高橋松男
撮影 山崎善弘
音楽 細野晴臣
美術 菊川芳江
編集 鈴木晄
録音 中野俊夫
スチール 目黒祐司
助監督 丸久生
照明 加藤松作

キャスト

森本亮作 三國連太郎
森本タツ 村瀬幸子
森本依志男 河原崎長一郎
森本律子 佐藤オリエ
森本鷹男 杉本哲太
森本直子 武田久美子
吉川刑事 佐藤浩市
三浦刑事課長 米倉斉加年
中村武也 高橋長英
中村則子 結城美栄子
野川冴子 田島令子
田上刑事 若山富三郎
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