欲望(1966)|MOVIE WALKER PRESS
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欲望(1966)

1967年6月3日公開,111分
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フリオ・コルタザールの短編小説をヒントに「赤い砂漠」の監督ミケランジェロ・アントニオーニが書き下した原作を、アントニオーニとトニーノ・グエッラが共同で脚色し、アントニオーニが監督した。彼はこの作品で本年度アカデミー監督賞候補にあげられ、またアメリカ映画批評家協会主催の一九六六年度最優秀作品賃、最優秀監督賞を得ている。撮影はコンビのカルロ・ディ・パルマ、音楽はハーバート・ハンコックが担当。出演はデイヴィッド・ヘミングス、英国映画「モーガン」で六六年度カンヌ映画祭で主演女優賞を獲得したヴァネッサ・レッドグレイヴ、「脱走計画」のサラ・マイルズ、ファッション・モデルのフェルシュカほか。製作はカルロ・ポンティ。テクニカラー、テクニスコープ。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

ハンサムなロンドン児のトマス(D・ヘミングス)は二十歳の若さで早くも名声を得ている職業写真家だ。ある土曜日、彼は気晴らしのため人通りのない街を、ローバーの新車で飛ばしていた。車をおいて緑いっぱいの美しい公園を散歩している時、魅惑的な女と好色そうな中年の男が戯れているのに出会った。トマスは二人が木陰で接吻しているのを見ると純粋な職業的興味から、いつとはなしにそれを撮影していた。男はいち早く姿を消したが、その美しい少女は彼の家まで訪ねて来て、一心にフィルムを返してくれと頼んだ。彼女はジェーン(V・レッドグレーブ)といった。トマスがフィルムをやるから、その代償として彼女のヌードを撮らせろというと彼女は仕方なくその場で裸になった。彼は違う写真を返すと、彼女は安心して帰って行った。トマスは早速公園で撮った写真を現像し、引き伸して見た。ところがその写真にうつっている薮の中に、銃を持っている見知らぬ男を発見して驚いた。更にまたその薮の中に死体のようなものまで写っていた。彼は公園へ車を飛ばした。果してそこには男の死体があった。しかもその男はジェーンと逢びきをしていた男だった。びっくりした彼は急いで家に帰ったが、意外にも彼が苦心して引き伸した写真もフィルムもそっくり盗まれているのに気づいた。翌朝トマスは、再び事実を確かめるため公園へ行った。だが昨日横たわっていた死体は消えていた。するとそこへ多数のモッズ族が乗りこんできて、パント・マイムでテニスボールを打ち始めるのだった。これは幻想の世界であった。間もなくトマスは何時、どこで現実の世界から幻想の世界へ足を踏み入れたかという絶望的な疑問を抱きながら、目に見えないテニスボールを追っていた。

作品データ

原題
Blow-up
製作年
1966年
製作国
イギリス
配給
MGM
上映時間
111分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.1
  • ettam

    2
    2013/9/25

    この作品でアントニオーニ監督はアメリカ映画批評家協会主催の1966年最優秀作品賞と最優秀監督賞を受賞しております。さらに1967年カンヌ国際映画祭ではパルムドール賞を受賞しております。―が少し難解な作品です。

    人気若手カメラマンが公園男女の戯れているのを隠れて写真を撮り、それに気付いた女がフィルムを返せと家まで訪ねてくる。実は男女が戯れているのではなくよく写真を見ると計画的殺人の犯行現場だった!というのが大まかなストーリーですが、難解なのは、このカメラマンがみたのは現実なのか白日夢だったのか途中で分からなくなるところです。現実と幻の間を彷徨っている様な不思議な作品です。最後は完全に幻想の世界へと足を踏み込んでしまうカメラマンなのだが…。

    邦題では『欲望』と付けられていますが疑問が残ります。作品を観ても欲望と付けられるような納得できるものがなく、原題もBLOW-UP「(写真の)引き伸ばし」を意味しているからである。撮影した写真を引き伸ばすと殺人のシーンが現れるところから原題は納得できるが、これまた邦題をつけた人がこの作品をより難解にさせたか…。

    この作品ではライブハウス内のシーンがあります。そこで演奏しているのは1960年代に活躍していたイギリスのロックバンド「ヤードバーズ」。あのジェフ・べックとジミーペイジが作品中でツインリードギターで登場します。ファンにはたまらないです。ヤードバーズはその後エリック・クラプトンなども在籍しており、世界的ギタリストが多く在籍していたバンドとなります。

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    ネタバレあり
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  • kakan

    5
    2012/1/16

    手に職持ってる男性に、
    ぜひ観てもらいたい映画ですね。
    徹底した仕事への情熱だったり、
    男の強さをすごく感じました。

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  • †Jack

    5
    2007/5/26

    スタイリッシュな映像美と次第に盛り上がってゆくストーリー展開。見事です☆
    グイグイ引き込まれます。
    静まり返ったロンドンの街並み、思いがけない被写体との出逢い。
    日常的に出会いたくない出来事を、写真家の“眼”から見せてくれるサスペンスが逸品。
    主人公の写真家の欲望を、悪戯に振り回すかの様な画が随所に散りばめられています。
    意味の無いランチキ騒ぎ、ヤードバーズのギグ、突如として現れるパントマイマー。
    現実と幻の狭間なのか‥。
    傲慢で好奇心の塊の写真家に残されたのは、空虚感だけだったのかもしれない。
    空虚なのに何故か心地良い、妙な感覚に襲われる傑作☆

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