ヘンリー・フォンダ
Frank
セルジオ・レオーネがアメリカで監督した西部劇。主演は「バルジ大作戦」のヘンリー・フォンダ、「さらば友よ」のチャールズ・ブロンソン、「墓石と決闘」のジェーソン・ロバーズ。共演には紅一点のクラウディア・カルディナーレ、フランク・ウォルフ、ガブリエレ・フェルゼッティ、ウッディ・ストロード、キーナン・ウィンなどが顔をそろえている。製作はフルヴィオ・モルセッラ。脚本はセルジオ・ドナーティとセルジオ・レオーネの共作。撮影にはトニーノ・デリ・コリがあたり、音楽はマカロニ・ウエスタンの名曲を数多く手がけたエンニオ・モリコーネが担当。テクニカラー、テクニスコープ。イタリア・オリジナル版は175分。日本初公開から50年を経て、2019年9月27日より、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」(165分)として公開。
※結末の記載を含むものもあります。
西部に初めて鉄道が敷かれようとしていた頃……。アイルランドから移住して来たマクベイン(F・ウルフ)は、この荒野に大きな夢を抱いていた。そして、彼は砂漠を買い、ニュー・オリンズにいる婚約者ジル(C・カルディナーレ)を呼ぶ準備をした。その彼の地権を狙う二人の悪党がいた。鉄道局の役人モートン(G・フェルゼッティ)と、ガンマンのフランク(H・フォンダ)である。そこへ、フランクを捜して一人のよそ者(C・ブロンソン)がやって来た。彼は“その男”と呼ばれた。もの凄いガンさばきとハーモニカのうまいのが特徴であった。彼と同じ馬車でジルもやって来た。彼女はマクベインに呼ばれて来たのだった。しかし、その時すでに、マクベインはフランク一味の銃弾に倒れていた。この事件は、ハーフのシャイアン(J・ロバーズ)のしわざということになったが、居酒屋で“その男”に出会ったシャイアンは、犯行を否定した。一方、法的な利権がジルに与えられると知ると、フランクは彼女を狙いはじめた。身の危険を感じたジルは、保安官(K・ウィン)の助力を得て遺産をせりに出した。フランクは裏工作をしたが、“その男”とシャイアンが権利を買いとり、再びジルに与えた。その後も、フランクは執拗に彼女を狙ったが、目的を果せなかった。そしてついに、フランク一味の襲撃を待っていた“その男”の怨みの銃弾がフランクを倒した。その時“その男”の脳裏には一五歳の時フランクに虐殺された兄の事が浮かんでいた。彼は再びこの土地を去って行った。夫の夢をうけついでいこうとするジルを残して……
Frank
Jill
Cheyenne
The Man
McBain
Morton
Sheriff
Sam
Wobbles
Barman
Knuckles
Member of Frank's gang
Stony
Timmy
監督、原案、脚本
製作
原案
原案
脚本
撮影
音楽
ユニット・マネージャー
美術
助監督
録音
スチル
[c]キネマ旬報社
「荒野の用心棒」を初めとするドル箱三部作でマカロニ・ウエスタンの巨匠となったセルジオ・レオーネ監督が、アメリカ資本を得て作り上げた3時間近い大作。ヘンリー・フォンダ、チャールズ・ブロンソン、ジェーソン・ロバーツ、クラウディア・カルディナーレという4人の名優に加え、冒頭だけのシーンにもジャック・イーラムやウッディ・ストロードといった西部劇俳優の大物が顔を見せる。
ジョン・フォードの西部劇でもお馴染みのモニュメントバレーの情景、時代の変わり目に生きた人々の物語を感動的に盛り上げるエンニオ・モリコーネの音楽がこの上もなく素晴らしい。
何度でも繰り返し見たくなる、西部劇のジャンルを超えた名作だ。
3時間近い長編だ。監督はセルジオレオーネ、いわゆるマカロニウエスタンの元祖で、そういう乾いたバイオレンスの感じはやはりある。鉄道利権に絡む争い、人間の欲望のぶつかり合いを描く。話の筋がなかなかつながらないが、あまりいらいらしない。少しずつネタが出され、最後に大きな「真相」が出される。主演の二人の存在感が見ものだ。フォンダはこのとき63歳だったんだね、ブロンソンは47歳。油の乗り切った風格のぶつかり合いがいいね。西部劇は好きで、「荒野の決斗」「シェーン」「ハイヌーン」など懐かしいが、これらの作品の底にあるウエットな感じはこの作品にはない。好き好きだろうと思うけれども。とはいえ一見の価値ある作品である。
西部劇を観るのは2作目なので、まだ初心者です。ある程度お決まりパターンがあるジャンルだけど、その中でも人気がある映画は、一味違った良さがあるのでしょう。もっと震えるようなシーンがあるんじゃないかと思ってます。