地獄のガンマン|MOVIE WALKER PRESS
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地獄のガンマン

1968年3月30日公開
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マリオ・アメンドラ、ブルーノ・コルブッチ、フェルナンド・ディ・レオ、ドメニコ・パオレラの共同脚本を、「海賊旗を上げろ」のドメニコ・パオレラが監督したアクション。撮影は「ドクター・コネリー キッド・ブラザー作戦」のアレハンドロ・ウローア(アレクサンダー・ウローア)と、クランニ・ベルガニーニ、音楽はウィリー・ブレッツァが担当した。出演は「グラン・プリ」のアントニオ・サバト、「OK牧場の決闘」のジョン・アイアランド、「地獄から来たプロガンマン」のフェルナンド・サンチョ、「つむじ風のキッド」のグロリア・ミランド。製作は「無敵の斗士」のイタロ・ジンガレリ。イーストマンカラー、デルタビジョン。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

ミグエル(A・サバト)はコヨーテ(F・サンチョ)の下で砂金採取をしていたが、将来は彫刻家として身を立てたいと考えている若者。そしていよいよ、ニューヨークに出る決心をし銀行に預金をおろしに行くと、銀行はクーパーとモクソンの二人組に襲撃されている最中。金庫の金をさらって逃げる二人をミグエルは追跡した。途中二人は仲間割れし、クーパーだけが金を持って逃げた。馬車を待伏せたミグエルは、クーパーから彼の貯金額だけを取り戻したが、その様子をみていた老人の密告で捕えられてしまった。同じ牢に入れられた二人は、なぜか不思議に好意を感じあった。クーパーは賞金のかかったお尋ね者。長い放浪の生活で娘の顔さえ知らない男だが、獄中では、いつも妻子の行く末を案じていた。数日後、ミグエルは釈放され、クーパーは終身刑を言い渡された。ミグエルは、クーパーに信頼された通り、早速、彼の家族の様子を見に行ったが、妻のマリアは、モクソンに脅迫されており、何も語ってはくれなかった。七ヵ月後、クーパーは脱獄した。その頃モクンン一味は町で暴虐の限りをつくしていた。ミグエルも襲われたが逆襲し、逃げおくれた一味の若い娘を助けてやった。その娘こそ彼らに捕われていたクーパーの一人娘ファナだったのである。そうとは知らぬミグエルは彼女の落していったペンダントを保管しておいた。その後、ミグエルの所へクーパーがやってきた。ペンダントを見た彼は、ミグエルが裏切ったと誤解し、後を追った。だがしかしミグエルはモクソン一味に捕われ、拷問を受けた。介抱するファナ。そこへクーパーが現われた。親子の名のりこそしていないが、娘ファナの話で誤解もとけ、妻子をいじめたモクソン一味と対決するためクーパーは出かけた。激戦のすえ、一味は壊滅。だがクーパーはモクソンと決闘を演じて相打ちに倒れ、娘ファナをミグエルに託して、父と名乗らずに死んでいくのだった。

作品データ

原題
Hate for Hate
製作年
1967年
製作国
イタリア
配給
MGM

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

2.0
  • 晴耕雨読

    2
    2009/8/18

     イタリアンウェスタンの傑作「続・夕陽のガンマン/地獄の決闘」が公開された後のイタリアンウェスタンはジリ貧状態になってしまい文字通りに“夕陽”が沈むように沈んでいきました。「地獄のガンマン」はそんな中に製作され、併映用に輸入された映画です。併映作品はコンゴ内乱を題材にしたアクション映画の「戦争プロフェッショナル」。この二本立ては私の初デートにもなったエポック的作品です。

     「地獄のガンマン」は所謂C級映画でしょう。しかし「エド・ウッド」のように映画を愛したスタッフたちが一生懸命に作った映画です。マカロニウェスタンという表現は故・淀川長治さんが命名したもので、ハリウッドがイタリア製西部劇を嘲笑する意味でスパゲッティウェスタンと呼んだのを、日本流にアレンジしたものです。よって、セルジオ・レオーネ監督の大ファンである私はイタリアンウェスタンと呼ばせて頂いています。

     映画の舞台はイタリアンウェスタンの定石、メキシコ国境付近。彫刻家を目指すメキシコ人の若者アントニオ・サバトと言う設定に従来のイタリアンウェスタンとは違った新鮮味を感じます。全てにポジティブな主人公はサウスポーですが、これは後のテレンス・ヤング監督の「レッド・サン」でのアラン・ドロン扮するガンファイターに引用されたのではと思っています。何故ならば、同伴頂いたクラスメイトの「Y・K」さんは、左利きの男は魅力的に見えると語っていましたし、後にはアイドル歌手の浅丘めぐみが歌う「私の彼は左きき」と言う流行歌がヒットしたことにもよって確信しているのです。

     主人公とパートナーを組む初老のガンマンも、今までの「金」にだけ執着心を持つ荒くれ男ではなく、妻マリア(グロリア・ミランド)やまだ顔も知らない娘のファナ(ナディア・マルコーニ)を想う善き夫であり父親であるという設定に「夕陽のガンマン」でのリー・ヴァン・クリーフ演じる渋いダグラス・モーティマー大佐を彷彿とさせます。何しろその名前はクーパーですから、ゲーリー・クーパーを絶対に意識しての命名だと思います。演じる俳優もハリウッドのジョン・アイアランドですから間違いないでしょう。

     作品の出来具合はC級ですが、このようにアメリカ西部劇を狙った作風になっていますし、ジョン・アイアランドの哀愁漂う演技が印象的に残っています。イタリアンウェスタンではお馴染みのガンプレイは固定したライフルの引き金を離れたところからヒモで引いて撃つシーンが新鮮でした。

    【別府ロキシー】鑑賞

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