まぼろしの市街戦|MOVIE WALKER PRESS
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まぼろしの市街戦

1967年12月16日公開,102分
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「カトマンズの男」のフィリップ・ド・ブロカが製作・監督。脚本はダニエル・ブーランジェがブロカと共同で執筆、撮影はピエール・ロム、音楽を「カトマンズの男」のジョルジュ・ドルリューが担当している。出演者には「ジョージー・ガール」のアラン・ベイツ、「ピストン野郎」のジャン・クロード・ブリアリ、「戦争は終った」のジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、「ファントマ ミサイル作戦」のフランソワーズ・クリストフ、「黒い情事」のピエール・ブラッスール、「二人の殺し屋」のミシュリーヌ・プレール、「サンダーボール作戦」のアドルフォ・チェリなど。イーストマンカラー、テクニスコープ。2018年10月27日より4Kデジタル修復版が公開(配給:パンドラ)。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

第一次大戦中、パリ北方の小さな村を撤退するドイツ軍は時限爆弾を仕掛けた。これを知った村人の一人は、進撃してくるイギリス軍にこれを告げた。隊長バイベンブルック大佐(A・セリ)は伝令兵プランピック(A・ベイツ)を村に派遣し、爆弾を見つけて撤去せよと命じた。村は噂におびえ、大半が避難し、残されたのはサーカスの動物と精神病院の狂人だけだった。猛獣は往来をさまよい、解放された狂人は空家に入りこんで夢のような生活をはじめていた。公爵(J・C・ブリアリ)、公爵夫人(F・クリストフ)は村の名士、僧正(J・ギオマール)は寺院に納り、エバ(M・プレール)はコクリコ(G・ビヨルド)たち、娘を集めて女郎屋を開業、将軍(P・ブラッスール)は幻想の軍隊を編成した。プランピックは戦場のまっただ中で、陽気に優雅に暮らしている村人を発見して呆気にとられたが、彼をハートの王様にし、コクリコと結婚させると聞いて初めて狂人の世界に踏み込んだと覚った。彼は善良な狂人たちを避難させようとしたが誰も動かなかった。彼は最後の数時間を皆と共に楽しむ決心をした。プランピックは花嫁のコクリコから時限爆弾の隠し場所を聞き、無事撤去した。そんな中、戦略的要地のこの村を独軍、英軍が狙いはじめ、両軍の偵察隊が乗りこんで来た。両軍は激戦を展開、相撃ちで双方とも全滅した。狂人たちは余りの狂気の沙汰にゲンナリして精神病院に帰っていった。英雄となったプランピックは、進撃途上にある次の村の爆破を命じられた。彼は遠ざかる村を見つめていた。そして、彼は脱走した。鳥カゴを持ち、素っ裸になったプランピックは精神病院の門をくぐり、友人たちの中に入って行くのだった。

作品データ

原題
LE ROI DE COEUR
製作年
1967年
製作国
フランス
配給
ユナイト
上映時間
102分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.5
  • 杉ちゃん

    5
    2018/10/31

     1966年制作、日本公開は翌年1967年12月のフランス映画で、今となっては「カルト」のジャンルに分類されている傑作です。

     今回は、制作52年目にして、4kデジタル修復版としての公開を鑑賞してきました。

     修復版だけあって、映像、音響共に、予想以上に改善されていました。もちろん、映画館で観るのは初めてで、あらためてこの映画が「傑作」であることを痛感しました。

     また、今作は主人公のプランピックが精神病院の前に全裸で立って終わる日本公開版ではなく、その後のちょっとしたエピソードが描かれているオリジナル版で、私的にはこちらのほうが好きでした。

     この映画は、観るたびに現世において、いったい何が狂気で、何が正常なのかを考えさせてくれます。そして今回もその想いは強く、複雑な想いで劇場を後にしました。

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  • 櫻乱

    4
    2007/5/5

    公開当時
    ベトナム戦争(‘60-’75)が混泥とするアメリカでは、
    学生たちを中心にコメディ・タッチの反戦映画として
    カルト的な人気があったらしい。

    《戦争》という行為は、馬鹿馬鹿しくも滑稽。

    1918年10月 北仏の寒町
    敗走する独軍は、追ってくる英軍に対し、
    町の広場に、00:00丁度に爆破するよう爆薬を仕掛け、撤退をする。
    町の住人も慌てて避難する。

    英軍は、町に仏語を話せる伝書バト係:プランピックを偵察に向かわせる。
    残っていた独軍に追われ、
    [精神病院]に逃げ込んだプランピックは、患者たちと出会う。
    紛れ込んだトランプゲームの中、とっさに言った言葉は『ハートのキング!』
    患者たちはみんな、プランピックが王であると祭り上げる。

    外へ飛び出した患者たちは、町の広場に集まり、賑やかな虚構の世界(ハートの王の国)の住人となる。
    娼婦、床屋、司祭、紳士と淑女、将軍

    いつしか彼も、その世界の住人(王)となることに幸せも感じていた・・・


    非日常(戦時)の中の、非日常(精神病院の外での患者の行動)は、とても人間らしい善良な時間。
    もしかしたら、彼らは非日常(戦時)を避けるために、日常(精神病院内)を選んでいたのかもしれない。

    ルイス・キャロル著《不思議の国のアリス》の世界にも通じる。

    英国表記【THE KING OF HEARTS」


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    ネタバレあり
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