暁の用心棒|MOVIE WALKER PRESS
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暁の用心棒

1967年6月24日公開
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ジュゼッペ・マンジオーネのオリジナル脚本を「世界の夜」のヴァンス・ルイスが監督したイタリア製西部劇。撮影は「スペイン戦争」のマルチェロ・マシオッキ、音楽は「続さすらいの一匹狼」のベネデット・ギリアが担当。出演はわが国初顔のトニー・アンソニー、「シシリーの黒い霧」のフランク・ウォルフ、ジア・サンドリ、ヨランダ・モディオほか。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

アメリカとの国境に近いメキシコの寒村によそ者(T・アンソニー)と呼ばれる若い男が姿をあらわした。その頃、アギラ(F・ウォルフ)とその手下たちはアメリカ政府がメキシコ政府に貸与する金貨を横取りしようと計画していた。折から到着したメキシコ政府の兵士を射殺したアギラらは衣服をはぎとって政府軍兵士になりすました。ことの次第を見守っていたよそ者は、酒場にやってきたアギラに、合衆国将校といつわり、分け前を出すなら金貨の横取りに協力しようともちかけた。間もなくアメリカ軍がやって来てよそ者の大芝居のおかげで、金貨の横取りは計画どおりに運んだのだが、アギラは約束の分け前をわたすどころか、よそ者を殺そうとした。よそ者はすきをみて金貨をうばって逃げ、チーカ(I・モディオ)という若い女の家にころがりこんだ。しかし、アギラらに包囲され、チーカの生命の危険を考え屋根伝いに逃げた。アギラたちはチーカをともなってかくれ家に帰り計画の成功を祝った。その頃、後をつけて来たよそ者はかくれ家の倉庫にしのび込み金貨を手中におさめたが、今一歩というところで発見され、とらえられてしまった。だが、すきをみて脱出し、火楽庫を爆破させ、アギラらがそれに注意をうばわれている間に、よそ者は金貨を奪い、チーカを救いだした。村に帰ったよそ者は金貨を水槽の底に沈め、チーカとその子供を逃がそうと考えたが、その時アギラたちがすでに後を追って村にあらわれた。射ちあいがはじまったが、よそ者の腕は冴え、ついにはアギラも射殺した。かくしていた金貨をとり出して村を出ようとするよそ者の前を、アメリカ軍兵士たちの銃がふさいだ。観念したよそ者は、アギラにかかっていた懸賞金分だけの金貨をとるとまたさすらいの旅に出かけるのだった。

作品データ

原題
One Dollar in the Teeth
製作年
1967年
製作国
イタリア
配給
東和

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.0
  • 晴耕雨読

    3
    2009/7/31

     東和映画配給による何の関連もない“用心棒・シリーズ”の第6弾です。主人公はイタリアン・ウェスタン初顔のトニー・アンソニーであり、ガンベルトに収まっているのは、邦画「すきやきウェスタン・ジャンゴ」でも、お馴染みのコルト・シングル・アクション・アーミー・リボールバー・キャバリーモデルの真鍮製グリップフレーム。更にもう一丁、アンダー・レバー・アクションの有鶏頭サイド・バイ・サイド・ショットガンを装備していますので、ガンマニアにとっては垂涎の的でした。一緒に観にいったクラスメイトが、「あれは何!?」と質問してきたので、「散弾銃(さんだんじゅう)」と教えてあげると、「二段銃(にだんじゅう)」じゃないの!?と聞いてきました。(苦笑)

     但し、武器に関する時代考証はシッチャカ!メッチャカ!です。主人公のショットガンに装弾されるのはグレネードランチャーのように巨大な鉛の弾頭の付いた単発弾で、これによって起死回生の一発逆転満塁ホームランをかっとばしますが、悪役のアギラが装備しているのは、何とW・W・Ⅰでオーストリア軍が複葉機搭載用機銃として採用した、シュワルツローゼ重機関銃。「続・荒野の用心棒」の棺桶の中身もそうでしたが、奇想天外・荒唐無稽もここまでくれば表彰ものです。

     例によって舞台はアメリカとメキシコの国境に近いゴーストタウン。主人公は“ストレンジャー”と呼ばれる男ですが、このキャラはイタリアン・ウェスタンにおける新鮮な魅力を振り撒きます。郷に入れば郷に従えといった諺も馬耳東風、絶体絶命の窮地に陥っても七転び八起きでポジティブ。天衣無縫な性格は過去のいわくありげなネガティブなヒーローたちとは一線を画しています。音楽♪も軽妙洒脱、本当に楽しいイタリアン・ウェスタンです。異文化コミュニケーションの中でもアイデンティティを見失わず孤軍奮闘する主人公はイタリアン・ウェスタンが目指す新しい方向かもしれません。

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