真昼の用心棒|MOVIE WALKER PRESS
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真昼の用心棒

1967年1月22日公開
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フェルナンド・ディ・レオの脚本をルチオ・フルチが監督した西部劇。撮影はリカルド・パロッティーニ、音楽はラロ・ゴリが担当した。出演は「続荒野の用心棒」のフランコ・ネロ、「シェルブールの雨傘」のニーノ・カステルヌオーボのほかジョージ・ヒルトン、ジョン・マクダグラスなど。イーストマンカラー、クロモスコープ。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

トム・コーベット(F・ネロ)は“用心棒”が稼業だ。彼はある日、生れ故郷の友人から、村に帰ってきて欲しい、と訴える手紙を受け取った。母親に死なれて、その村を出たきり今まで一度も故郷に足を踏み入れていない彼の村は、昔と全く趣を異にしていた。彼の兄スリム(G・ヒルトン)の牧場はボスのスコット(J・マクダグラス)に奪われ、村の銀行も彼の支配下にあった。スコットは残酷な男で、息子のスコット・ジュニア(N・カステルヌオーボ)のぬかりない手伝いをうけて悪業の数々を働いていた。村がそんな状況だったから、スリムはトムにすぐ出て行くよう勧めた。しかしトムは事態の真相をつきとめようと決心し、スコットの牧場へ行った。そこで彼は鞭使いの名手スコット・ジュニアに決闘を挑まれて破れ、みじめな姿でスリムの家に帰りついた。これを見た年老いたスリムの乳母は、これまでのいきさつを語ろうとしてスコット一味のために射ち殺されてしまった。憤ったスリムは今までスコットの横暴に無抵抗だった自分の生き方の非を悟り、トムを助けてスコット一味と闘うことを誓った。トムとスコットは復讐に燃えて牧場に向った。だがトムはそこでスコットがトムの父という意外な事実を知らされた。トムは複雑な気持でスコットと話し合った。その時父親の財産を一人占めしようとしたスコット・ジュニアが、スコットを射殺してしまった。トムとスリムは、スコット一味が待ち構える牧場へ襲いかかった。多くの人の血が流れた結果、スリムはスコットに横領されていた牧場を再び自分のものにした。トムは牧場の平和を喜ぶと、懐かしい故郷の村を後に、再び放浪の旅に出て行くのだった。

作品データ

原題
Massacre Time
製作年
1966年
製作国
イタリア
配給
東和

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.5
  • 晴耕雨読

    3
    2009/7/29

     イタリアン・ウェスタンが何故一世を風靡したのでしょうか。それは音楽♪を大事にしたことが最大要因ではないでしょうか。映画冒頭のプロローグは川の流れに、セルジョ・エンドリゴの歌う痛快な主題歌がかぶり、画面いっぱいにタイトルが浮上するカッコよさ。これは日本の「網走番外地」を彷彿とさせるしびれるような演出です。この主題歌は私ですらアカペラでも歌えてしまうほど魅力的であり、カラオケのレパートリーにしています。その音楽を担当したのはラッロ・ゴーリ、監督は「サンゲリア」シリーズのルチオ・フルチです。ストーリーテリングも一時期の東映映画の任侠路線と重なるような脚本で、故郷を離れて暮らしていたトム(フランコ・ネロ)が久しぶりに帰郷すると、街は実力者であるスコット一家の性悪息子によって蹂躙されていた。トムはアル中ながら凄腕ガンファイターの弟ジェフリー(ジョージ・ヒルトン)と共に一家との決闘に乗り出すと言えば、ワイアット・アープとドク・ホリデイのようなコンビですが、本篇にはクレメンタインのような美女は登場しません。

     映画はイタリアン・ウェスタン特有の残虐描写に溢れたバイオレンス・アクションであり、復讐に燃える兄弟の銃撃戦はハードでスピーディに描いていますので面白いの、何のって!、当時のイタリアン・ウェスタンは「大回転ワゴン撃ち」とか「逆光殺法おがみ撃ち」、「空中殺法○○撃ち」と言ったアクロバット的な早撃ちシーンを生みだしていたので、当たる、当たらないは別として、アドレナリンは全開モードになり、モデルガンを持ってかなり真似をしたものです。

     気になる点では、ネイティブ・アフリカンやネイティブ・アメリカンが白人と同じ服装をしているところですが、例によって時代考証などが中途半端なのはイタリアン・ウェスタンの専売特許ですので大目に見て下さい。前述したように主題歌はパンチの利いた英語ですが、本篇のセリフはイタリア語。ここぞという見せ場は英語で、「Hey,Gentlemen!」と決めセリフで呼びかけます。演出は東映任侠映画のように過剰、悪役が登場するシーンは日本のTVドラマ時代劇を観ているような錯覚を覚えますよぉ。

     トムとジェフリー(※トムとジェリーではありません)は、高倉健と池部良のようにタッグを組んでスコット邸へ殴り込み。ラストシーンには平和の白いハトが舞い上がりエンディングになりますが、白いハトはアクロバット・ガンファイト同様に香港映画に輸出されたようです。

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