殺しのテクニック|MOVIE WALKER PRESS
MENU

殺しのテクニック

1966年7月2日公開
  • 上映館を探す

フランク・シャノンが脚本・監督を担当したアクションもの。撮影はエリック・メンツァー音楽はロビー・ポワットヴィンが担当した。出演は「サイレンサー」のロバート・ウェバー、フランコ・ネロ、ジャンヌ・ヴァレリーなど。製作はダン・レッサー。テクニカラー・テクニスコープ。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

クリント・ハリス(R・ウエバー)は今日も射撃の練習に懸命だった。二百、三百、いくら標的が遠くなっても、ほとんどの弾は真中を射ぬく。九八点、驚異的な腕前だ。数時間後、ハリスはとある魔天楼の屋上に立った。手早くライフルを組み立てる。新聞紙で風向きを計ってから、腹ばいになって標準をきめる。狙いは六百メートルも先のホテルの入口。やがて一人の男が警官につきそわれて出てきた。男は犯罪組織の一員だが、この男を生かしておいてはすべては露見してしまう。だからハリスが仕事を頼まれたのだ。銃声三発、男は死んだ。ハリスは銃をたたみ、車に乗る。目的地はボスのところだ。報酬は三万ドル。だが、こうした殺し屋稼業にもあきた。ハリスはこれを最後に引退するつもりたった。ところがボスはもう一つ仕事を申し出た。ハリスは十万ドルなら……といった。ボスは了解した。しかし、今度の敵は手強いからと、トニーという男を助手につけさせた。この俺に助手を--ハリスは誇りを傷つけられた思いがした。だが、やはり敵は手強かった。第一、セッキという名前だけで顔を知っている者がいないのだ。セッキの顔を手術したという医者に会ったが、無駄だった。ニューヨークからパリへ。マリーという女から少し手掛りがつかめた。こいつこそと思って殺した男も、セッキではない。だがマリーが殺された。敵はいよいよ尻尾をだした。冷たい朝、セッキの挑戦である邸を訪ねたが、姿を現わしたのは前に会った、医者だった。これがセッキか!銃声が乱れとぶ。セッキと部下二人が倒れた。が、ハリスも一弾をうけた。そこへ敵に内通したトニーが来た。胸へ手を入れた。しかしハリスのほうが早かった。冬枯れの木立ちの中を、よろめきながらハリスは歩んでいった。

作品データ

原題
Technica Di Un Dmicidio
製作年
1966年
製作国
イタリア
配給
松竹映配

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.5
  • 晴耕雨読

    3
    2009/5/23

     イタリア映画界は西部劇のクリント・イーストウッドやリー・ヴァン・クリーフに代表されるように、イタリア映画のアメリカ人起用の上手さには目を見張らせるものがあります。本作品の「殺しのテクニック」の主演者、ロバート・ウェッバーも長期に渡ってハリウッド映画界で地味で目立たない性格俳優の一人だったのですが、フランク・シャノン監督(※イタリア映画界は芸術映画の大御所を除いてプセウドニーモというアメリカ的な変名を使用するのが大半でした。実際の名前はフランコ・プロスペリ)によって、ロバート・ウェッバーの魅力は開花したのです。

     主人公の殺し屋を演じるロバート・ウェッバーは七・三に髪を分け、着古した地味なスーツを身にまとった目立たないビジネスマン風の中年男。しかしイメージとは裏腹にプロのスナイパーとして「ゴルゴ13」のような仕事をするのです。ビルの屋上に陣取り、新聞紙を裂いて飛ばして風向きを確認。次には分解している愛銃ライフルのレミントンの組み立てにかかる。銃身に銃床を取り付け、サイレンサーとスコープを装着。装弾を終えると片眼帯を掛けて、ライフルを構えるのです。この一連の所作に、傍らで戯れる鳩のショットを入れるといったシャノン監督のキメ細かい演出が見事です。

     主人公のロバート・ウェッバーに殺し屋のアシスタント役で絡んでくるのが、「続・荒野の用心棒」や「豹/ジャガー」で主人公を演じた、フランコ・ネロであり、「ダイハード・2」では見事な悪漢を演じています。物語の中で二人が、なぜ殺し屋家業をすることになったのかを語るシーンは切々としていて、裏街道を行く男たちの悲哀をヒシヒシと感じます。映画のラストシーンは邦画の「蘇える金狼」の空港シーンを彷彿とさせますが、製作された経緯を考えると邦画の方が本作品を真似たようです。殺し屋の非情と孤独を淡々と描いた傑作であり、イタリア製アクション映画独特の濃厚で脂ぎった感じは全くありません。

    続きを読む + 閉じる -
    違反報告