アラン・ドロン
Rocco
イタリアの南部移民問題をテーマに、ある家族の崩壊をドラマチックに描いたヴィスコンティの傑作。娼婦ナディアをめぐる兄弟の愛憎劇が圧巻。若かりし日のアラン・ドロンの名演技が見もの。(リバイバル上映)
※結末の記載を含むものもあります。
大都市に希望を託して移住して来たある一家。次男シモーネはボクサーとして成功しようとしていたが、娼婦ナディアにのめりこみ落ちぶれていく。やがて、ナディアはシモーネの弟ロッコと愛し合うようになる。
Rocco
Simone
Nadia
Rosaria
Morini
Manager
Luisa
Ginetta
Vincenzo
製作
監督、原案、脚色
原案
原案、脚色
脚色
脚色
脚色
撮影
音楽
美術
編集
[c]キネマ旬報社
イタリアの5人兄弟の物語。こういう家族の強い絆というのは、マフィアを彷彿させる。アラン・ドロン24歳の時の作品で「太陽がいっぱい」と同年だが、もっと古く感じる。ステレオタイプの人物像による愛憎劇は初期の黒沢映画のようだ。
観た者が胸を掻き毟られる映画だと言いたい。シモーネの堕落はロッコが原因だとは言い切れないが、シモーネとロッコは二人で奈落の底に兄弟愛に伴われて落ちていくだろうと予感させる。観てしまった者に寂しい風景を感じさせる映画である。だからこそ監督の意図が実現された傑作なのだろう。