白夜(1957)|MOVIE WALKER PRESS
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白夜(1957)

1958年4月1日公開
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ドストエフスキー初期の短篇を、十九世紀のペテルブルグから現代イタリアの港町に舞台をかえて、「夏の嵐」のルキノ・ヴィスコンティが監督、彼と、同じく「夏の嵐」の女流脚本家スーゾ・チェッキ・ダミーコが脚色。撮影は「モンテカルロ物語」のジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽は「カビリアの夜」のニーノ・ロータ、製作フランコ・クリスタルディ。主演者に「青い潮」のマリア・シェル、「恋多き女」のジャン・マレー、「女と男」のマルチェロ・マストロヤンニの三カ国俳優を揃えている。他にクララ・カラマイ、マリア・ザノーリ、エレナ・ファンチェーラ等が出演する。一九五七年ヴェニス映画祭“サン・マルコの銀獅子賞”を受賞。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

イタリアのある港町。ここへ転勤してきたばかりの青年マリオ(マルチェロ・マストロヤンニ)が夜の小路を散歩していると、運河の橋際に立つ一人の少女(マリア・シェル)を見つけた。女は泣いていた。マリオは好奇心にかられ、見知らぬ町での狐独な自分を慰めるためにも、この女に声をかけた。彼女は大きな悲しみに打ちひしがれているかに見えた。マリオは自己紹介をして、断わる彼女を家まで送り、翌晩の再会を約して別れた。だが女はマリオが去ったとみるや、再びもとの橋際にひき返して行った。翌晩、女は約束をたがえて彼から逃げようとした。マリオはなじった。彼女は自分の行為をわび、ナタリアだと名のり、身の上を語った。なぜ毎晩橋の上に行かねばならぬかを弁明するためにも--。ナタリアは眼のわるい祖母と二人、二階貸しをしながらほそぼそと暮していた。そして下宿人の青年(ジャン・マレー)と親しくなった。男は自分のことをなにも語らず、彼女もまた世間知らずの少女だった。二人の間にひそやかな愛情が芽生え、ナタリアは幸福の絶頂にあった。だが、突然、男は町を去ることになった。ナタリアは彼とともに家を出るつもりだったが、男はそれをこのまず、一年経ったら必ず戻ってくる、その時あなたの心が変っていなければ結婚しようといって、運河の橋のたもとで別れた。--一年経ったいま、ナタリアは毎晩、約束の橋際で男を待つうち、マリオに出遭ったのだ。マリオは、こんな夢のような話が現実に存在するのかと驚いた。しかも男はすでに町に戻っているというのだ。ナタリアはマリオの友情にすがって、男に手紙を渡してくれと頼む。彼は承知したが約束を果さなかった。マリオの心はナタリアから離れがたくなっていたのである。何も知らぬ彼女は期待に輝いてみえた。手紙で約束した時間になり、ナタリアはマリオを残して橋の方へ駈けて行った。だがそこには誰もいない。絶望した彼女にマリオは夢中で愛を告白したが、ナタリアは振りきって行ってしまった。傷心のマリオは町をさまよううち、再び彼女に行き遭い、そこで例の手紙の件を打明けた。ナタリアは、かえってマリオに迷惑をかけたことをわび、彼の愛を受入れて現実の世界に生きようと思った。二人は未来を語り合いながら、雪の降り出した深夜の町を歩きつづけた。と、例の橋の近くまで来たとき、そこに一人の男の姿があった。ナタリアは突然駈け出した。マリオはそれを静かに見送っていた。

作品データ

原題
Le Notti Blanche
製作年
1957年
製作国
イタリア
配給
イタリフィルム=NCC

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.1
  • たっかん

    4
    2017/1/22

    ルキノ・ヴィスコンティ監督作品。
    こちらは、何と残酷な物語。
    ロベール・ブレッソン版よりも生活感を感じる気がした。

    女性ナタリアの笑顔は可愛い。
    そのナタリアの家に下宿人として来た男は「ナタリア、僕は君を愛しているから、ここを離れるんだ。1年後に会おう」なるセリフを信じる女。

    ブレッソン版では「なぜ、あなたをとても好きなのかわかる?私に恋してないからよ」なるセリフがあったが、同じドストエフスキー原作が、つくる監督によって、こうも雰囲気が異なるのか、と少し驚く。

    去年BD購入したブレッソン版をまた観たくなった。

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  • キネマ白道

    5
    2013/5/29

    ドストエフスキー初期の短編小説を、舞台をイタリアに移し変えて作られた映画でした。

    ドストエフスキーは初期はこうしたリリカルな作品があったのです。

    難解な「カラマゾフの兄弟」は後期の作品です。

    初期の「貧しき人々」も叙情的な作品です。貧しい人々の哀歓をリリカルにつづっています。

    「白夜」はマリアシェル演ずるナタリアが1年前の恋人との約束の橋で、待っているところから始まる。

    マルチェロマストロヤンニ演ずる、マリオが見つけ、なぜ泣いているのかとたずねる。

    そして、1年前別れた恋人がもし、気持ちが変わっていなかったらまた1年後この橋で会おうといって別れたことを話す。

    しかし、1年たったが、まだ来ていないので泣いているのだと。

    マリオはそんな童話のような話があるかと驚くが、

    それから二人は付き合い始めて、

    マリオは同情し、慰めるうちに恋が芽ばえる。

    ナタリアは手紙をマリオに託してあの恋人に渡してくれと頼んだりもする。

    そしてある日、橋の上にあの恋人の姿が、

    ナタリアはマリオにわびながらもその恋人のもとへ去っていく。

    かくしてつかの間の、マリオの恋は終わったのだった、

    マリオは雪の降りしきるなかを、独り去っていく。

    そんな映画でした。

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