燃えつきた納屋|MOVIE WALKER PRESS
MENU

燃えつきた納屋

1973年公開
  • 上映館を探す

フランスの農村で起こった殺人事件を中心に、嫌疑を受けた一家を守り抜こうとする老女と判事の対決を描く。製作総指揮はラルフ・ボーム、製作はスザンヌ・ウィーセンフェルド、監督はジャン・シャポー、脚本はシャポーとセバスチャン・ルーレ、原案はフランツ・アンドレ・ブルグエとシャポー、撮影はサッシャ・ヴィエルニー、音楽はモーリス・ジャールの息子のジャン・ミシェル・ジャールが各々担当。出演はアラン・ドロン、シモーヌ・シニョレ、ポール・クローシェ、ピエール・ルソー、ベルナール・ル・コック、カトリーヌ・アレグレ、ミュウ・ミュウ、ベアトリス・コンスタンティーニなど。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

ここはフランスの田舎オートドーフという農村。十一月に入ればもう雪に閉ざされてしまう。この村に「燃えつきた納屋」という妙な名の農家がある。家主はローズ(S・シニョレ)という女で、年の頃は五〇くらい、ガッシリとした骨格の頭の切れるしっかり者だった。彼女には、夫ピエール(P・クローシェ)、長男ルイ(P・ルソー)、その妻ルシル(B・コンスタンティーニ)、次男ポール(B・L・コック)、その妻モニーク(M・ミュー)、長女フランソワーズ(C・アングレ)と二人の孫があり大家族であった。ある雪の夜、田舎にしては珍らしい大事件が勃発した。ローズの家から少し離れた道路で無残に殺された女の遺体が発見されたのだ。殺人事件と断定した警察は直ちに捜査を開始したが、犯人逮捕の手掛りはつかめなかった。そこで当局は、治安判事ラルシェ(A・ドロン)を首班とする捜査団を派遣した。殺された女性は通りがかりの外来者らしく、勢い、捜査は犯行現場から一番近いという理由でローズの家に絞られることになった。犯行動機は物盗りと痴情とが考えられ、しかも、ローズ家にとって不利なことは犯行当夜、息子たちが二人とも外出していたことだった。ラルシェ判事の捜査と取調べが進展するに従い、ローズの立場は次第に苦しくなった。家長の地位にある彼女は、是が非でも一家の安全を守らなければならず、ローズは必死だった。少なくとも、最初のうちは、ローズ家は一丸となって一家に襲いかかった不幸に立ち向かう気構えがあったが、時が経つにつれ、その絆も次第にゆるみ始めた。これは、ラルシェ判事がこの事件を処理するために用いた巧妙なアプローチの成果であった。彼は少しも焦らず、じわじわとローズ一家がかぶっていた仮面を一つ一つはがしていった。このため、一家に根を下ろしていた忌わしい秘密が、次次に明るみにさらけ出されていった。これに対してローズは敢然と立ち向かい、正にこれはローズ対ラルシェ判事の対決だった。彼女は、これまでとかく姑息な受け身の態度で応対にいどみ、秘密主義を取っていたがガラリと態度を改めた。世間態をはばかっていた彼女が、閉ざしていた門を世間に開放したのである。このため、世間の関心と同情がローズ一家に集中した。彼らはコミューンの一つが外敵に襲われる事を見過ごせなかったのだ。村人が一丸となってラルシェと対決するようになり、さすがのラルシェもこれには手が出なかった。ローズは終始ラルシェに敵対し、彼が根掘り葉掘り家族の者から何か訊き出そうとすれば、彼女は激しく抵抗するばかりだった。ラルシェ判事の取調べが進めば進むほど、ローズは長年の間、自分には気づかないうちに、自身が夫や息子の死命を制していることを知らされる。ラルシェ判事の出現で自分の孤独を知らされ、たとえ事件が解決し、家族の無罪が立証されても孤独のまま死を待つ身であろうローズにとって、それは淋しい現実の姿であった。

作品データ

原題
Les Granges Brulees
製作年
1973年
製作国
フランス
配給
20世紀フォックス

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

2.0

まだレビューはありません。
レビューを投稿してみませんか?