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原題が示すように、熊のような田舎者と人形のようなパリジェンヌの恋物語を明かるく描いたコメディ。製作は「めざめ」「幸福」「風の季節」のマグ・ボダール、監督は「めざめ」「女は夜の匂い」等のボダールとのコンビ、ミッシェル・ドヴィル、脚本も同作のコンビ、女性脚本家ニナ・コンパネーズ、撮影は「ポーラの涙」のクロード・ルコント、音楽はロッシーニを基調に「去年マリエンバートで」「風の季節」のアンドレ・ジラールが編曲、バルドーの衣裳をクリスチャン・ディオールマルク・ボワン等が各々担当。出演は「セシルの歓び」以来久々のブリジット・バルドーと「パリは燃えているか」「素晴らしき戦争」のジャン・ピエール・カッセルの共演。

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二ヵ月程前からガスパール(J・P・カッセル)の家の家族構成はおかしなものになっていた。パリ郊外の家には四人の息子に三人の姪が雑居してるのだ。妻とは別れたばかり。或る雨の日、ポンコツのシトロエンで子供達を学校に送り届けた後、ガスパールは放送楽団の練習場に向かった。彼はそこのチェロ奏者だったのだ。しかしその途中、彼の車は不意に飛び出して来たロールス・ロイスと衝突し、フェンダーが壊れ、パンクする。乗っていたフェリシア(B・バルドー)という美人は車の損害よりも、ガスパールの世間離れしたヤボッたさが気にかかる御様子。男と何度も離婚したりして優雅な生活を送る彼女には、女を女と思わぬガスパールの態度がきっと新鮮なのだ。保険会社に提出する車の破損報告の件でフェリシアに呼ばれ、家を訪れたガスパールは、数人の彼女と別れた亭主やヒッピー達が徘徊し、マリファナやハッシッシーの異様なパーティーを見て腰を抜かす。が、彼の独特なヤボったさはかえってそんな連中の中に入ると、ひときわ光彩をはなつのだった。用事をすませフラフラになってガスパールが帰りの道を行くと、別れがたい気持を押えきれぬフェリシアが追っかけてくる。彼女は半分酔っぱらっていて、ガスパールの家に着く頃には手がつけられぬ程。ところがガスパールが車をしまったりして外にいる間にフェリシアの酔いはどこへやら、子供達とすっかり仲良くなっていた。芝居と知って頭にきたガスパールが塩入りコーヒーを飲ませたためにフェリシアも意地になった。車のキーを庭に放り出し、帰らないとゴネるのだ。喧嘩が最高潮になった時、何故かガスパールはフェリシアに猛烈なキスをしてしまう。フェリシアは驚くのだが、その味の良さ?にシビれたのか、二人の喧嘩に微妙な変化が現われだす。そして、とうとうフェリシアはガスパールの家に泊る事になってしまった。さわやかな翌朝、フェリシアは人気のない道を散歩に出た。その後をガスパールがゆっくりと追いかけていく。緑豊かな原っぱを横切って川っぷちに出た。フェリシアは腰を降ろし、ガスパールも一諸に並んで坐った。「クマと人形の話をしよう。およそ似合わない組み合わせだが、或る日、クマが--」「人形に会ったんでしょ」「人形にからかわれ、クマは怒った--」「人形も怒ったわ」。そよ風が心地良く頬を撫でて、小川のせせらぎが歌を奏でる。愛の睦言がそのリズムに乗って行った。

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作品データ

原題 The Bear and The Doll
製作年 1970年
製作国 フランス
配給 CIC
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