ラストエンペラー|MOVIE WALKER PRESS
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ラストエンペラー

1988年1月23日公開,163分
PG12
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激動の時代に生きた中国の最後の皇帝溥儀の生涯を描く。製作はジェレミー・トーマス、監督は「1900年」のベルナルド・ベルトルッチ、脚本はマーク・ペプローとベルトルッチ、撮影はヴィットリオ・ストラーロ、音楽は坂本龍一、デイヴィッド・バーン、コン・スー、編集はガブリエラ・クリスティアーニ、衣裳はジェームズ・アシュソンが担当。出演はジョン・ローン、坂本龍一ほか。後に219分のオリジナル全長版が発表されている。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

1950年、ハルビン駅では次々と中国人戦犯たちが送りこまれていった。800人を越えるその人の中には“清朝最後の皇帝”--愛新覚羅溥儀(ジョン・ローン)の顔もあった。彼は人目を避けてトイレに入り手首を切った。様ざまな過去が彼の脳裏をよぎった--まだ何もわからぬ幼少(リチャード・ヴゥ)の頃、光緒帝は帰らぬ人となり、実質的支配者だった西太后(リサ・ルー)は、溥儀を紫禁城に迎え、皇帝にと考える。紫禁城での生活は、外へ出ることは禁じられ、心の支えは乳母(イエード・ゴー)だけだった。7年後、溥儀(タイジャ・ツゥウ)は、中国全土に革命の嵐が吹き荒れる中で、孤独だった。そんな頃、家庭教師としてやって来たレジナルド・ジョンストン(ピーター・オトゥール)から数学やテニスなど西洋の文化を学ぶ。やがて15歳になった溥儀(ワン・タオ)は17歳の婉容(ジョアン・チェン)を皇后に、12歳の文繍を第二の妃に迎えた。1924年、中華民国の軍人である馮玉祥のクーデターで、溥儀は紫禁城を追われ、ジョンストンが、婉容、文繍(ウー・ジュン・メイ)、女官らと共に英国大使館に保護することになる。一方、戦犯管理所センターでは、罪の告白が続く。溥儀は、日本の甘粕大尉(坂本龍一)との日々を思い出していた。天津の租界地でプレイボーイの生活を楽しんでいるころ、蒋介石率いる国民党が上海を攻略。溥儀の身を案じた甘粕は、日本公使館へ逃亡するように指示する。民主主義に日覚めた文繍は離婚を申し出、溥儀の元を去り、かわりに日本のスパイであり婉容の従姉のイースタン・ジュエル(マギー・ハン)がやってきた。やがて友人のジョンストンも帰国したが、1932年、全世界の非難にも関らず溥儀は、日本の“傀儡政府”である満州国の執権になり、2年後皇帝となった。溥儀が東京を訪問中、婉容が運転手と誤ちを犯し身寵ってしまう。運転手は射殺され、子供は秘かに始末された。中国主要都市を制圧した日本軍だが、1945年、ソ連が宣戦布告、同年8月15日、日本は無条件降伏する。玉音放送を聞きながら、甘粕はピストル自決を遂げた。日本へ脱出しようとした満州国皇帝は、長春の空港でソ連軍の捕虜となる。1959年、10年の収容所生活を経て、溥儀は特赦される。皇帝溥儀は、一市民に生まれ変わったのだ。そして、庭師として北京で暮らす溥儀は、あの懐かしい紫禁城を訪れる……。

作品データ

原題
The Last Emperor
映倫区分
PG12
製作年
1987年
製作国
イタリア 中国
配給
松竹富士
上映時間
163分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.9
  • 晴耕雨読

    5
    2009/5/25

     清朝最後の皇帝、宣統帝溥儀は正常な生活を求めてナチズムに屈服する「暗殺の森」の主人公を豪華版バージョンアップされた映画だと思います。ベルナルド・ベルトリッチ監督は自分自身のマルキシズムとデカダンスの感性の矛盾にいつも引き裂かれていますが、またもや革命前夜の華やかさに心奪われたのです。

     豊饒なオレンジ色の幼少期から牢獄につながれた荒涼たる青灰色の時代へと、色褪せてゆく虹のスペクトルのように溥儀の一生を描いた撮影は「地獄の黙示録」のヴィットリオ・ストラーロであり、色が飽和して、光を遮断する紫禁城を描写しているところに彼の才能が最も生かされているのです。ストラーロは色彩が充満した華麗なる紫禁城を感覚が萎える場所として表現。戦犯として逮捕された溥儀が全てを自白することによって更生するというエピソードはシアンを基調とした暗い映像で造形していますが、それが本当の自由とは違っていることを暗示していて秀逸でした。

     半世紀以上の歴史を一本の映画に収めきることは大変な作業です。ベルトリッチ監督の自分勝手な解釈や省略を有識者たちは批難するでしょうが、ベルトリッチ監督は歴史学の教授ではありません。観客は溥儀のプリズナーとしての、世間から隔絶された目を通して、激動の時代の目撃者となるのです。紫禁城の人気のない玉座で、コオロギだけが生きていたラストシーン。ベルナルド・ベルトリッチ監督こそが、映画叙事詩の歴史における“ラストエンペラー”なのかもしれません。

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  • JINJING

    3
    2008/6/16

    愛新覚羅浩(溥儀の義妹で、日本人嵯峨野家公爵子女)に関するDVD、著書を看てからだと感覚も違います。
    中国(中原)の最後の皇帝というよりは、満州帝国の皇帝として自身のアイデンティーに苦しんだ姿が主題です。最期は一庶民として生きた皇帝は、中国参千年の歴史の中で最初で最後でしょう。今、台湾で購入したDVDを看ています。皇后の椀容はピアノを弾き、シャワーを浴びる西洋志向の女性。第二皇后は伝統ある清の教育を受けた淑女。この二人が自分の価値観を超えて皇帝(皇上溥儀)のために尽くすところは、女性の性を感じました。1115分の大作ですが、ぜひ看ていただきたいドラマです。

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    ネタバレあり
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  • カワカワ'カワ

    3
    2008/5/9

    今のウォンカーウェイなんかの
    ルーツのにおいがする作品です。
    大々的なロケ、画面の色彩、
    歴史物、
    ということで歴史のお勉強をかねて
    一度は観ておきましょう。。。

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