ノスタルジア|MOVIE WALKER PRESS
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ノスタルジア

1984年3月31日公開,126分

自殺したあるロシア人の音楽家の足跡を追って旅を続ける詩人の愛と苦悩を描く。エグゼキュティヴ・プロデューサーは、レンツォ・ロッセリーニとマノロ・ボロニーニ。監督・脚本は「アンドレイ・ルブリョフ」「鏡」「ストーカー」のアンドレイ・タルコフスキー、共同脚本は「エボリ」「サン★ロレンツォの夜」のトニーノ・グエッラ、撮影はジュゼッぺ・ランチ、べートーヴェンの〈交響曲第9番〉、ジュゼッペ・ヴェルディの〈レクイエム〉他の音楽を使用し、マッシモ&ルチアーノ・アンゼロッティが音響効果を担当。美術はアンドレア・クリザンティ、編集はエルミニア・マラーニとアメデオ・サルファ、衣裳をリーナ・ネルリ・タヴィアーニ、メイク・アップをジュリオ・マストラントニオが担当。出演はオレーグ・ヤンコフスキー、エルランド・ヨセフソン、ドミツィアーナ・ジョルダーノ、パトリツィア・テレーノ、ラウラ・デ・マルキ、デリア・ボッカルド、ミレナ・ヴコティッチなど。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

イタリア中部のトスカーナ地方。詩人のアンドレイ・ゴルチャコフ(オレーグ・ヤンコフスキー)は、通訳のエウジェニア(ドミツィアーナ・ジョルダーノ)と共にモスクワからこの地にやって来た。目的は、18世紀にイタリアを放浪し故国に帰れば奴隷になると知りながら帰国し自殺したロシアの音楽家パヴェル・サスノフスキーの足跡を追うことだが、その旅ももう終わりに近づいていた。アンドレイがこの古都シエナの村まで来たのは、マドンナ・デル・パルトの聖母画を見たかったためだが、彼は車に残りエウジェニアがひとり教会を訪れた。ピエロ・デラ・フランチェスカが描いた出産の聖母像(イコン)に祈りを捧げる女たちとは対称的に膝まずくことのできないエウジェニア。温泉で知られるバーニョ・ヴィニョーニの宿屋で、アルセニイ・タルコフスキーの詩集をイタリア語に訳して読んでいるというエウジェニアに、アンドレイは反論する。「すべての芸術は訳することができない。お互いが理解しあうには国境をなくせばいい」と。アンドレイの夢に故郷があらわれる。なだらかな丘の家。妻と子供。白い馬とシェパード犬。シエナの聖カテリーナが訪れたという広場の温泉に湯治客が訪れている。人々が狂人と呼ぶドメニコ(エルランド・ヨセフソン)は、世界の終末が真近だと感じ家族を7年間閉じこめた変人だ。ドメニコを見かけたアンドレイは彼に興味を示すが、エウジェニアは、いらだったようにアンドレイの許を去った。ドメニコのあばら屋に入つたアンドレイは、彼に一途の希望をみた。ドメニコは、広場をろうそくの火を消さずに往復できたなら世界はまだ救われるというのだ。アンドレイが宿に帰ると、エウジェニアが恋人のいるローマに行くと言い残して旅立った。再びアンドレイの脳裏を故郷のイメージがよぎる。ローマに戻ったアンドレイは、エウジェニアからの電話で、ドメニコが命がけのデモンストレーションをしにローマに来ていることを知った。ローマのカンピドリオ広場のマルクス・アウレリウス皇帝の騎馬像にのぼって演説するドメニコ。一方、アンドレイはドメニコとの約束を果たしにバーニョ・ヴィニョーニにびきかえし、ろうそくに火をつけて広場をわたりきることを実行しはじめた。演説を終えたドメニコがガソリンを浴び火をつけて騎馬像から転落したころ、アンドレイは、火を消さないようにと、二度、三度と渡りきるまでくり返し試みるのだった。

作品データ

原題
Nostalghia
製作年
1983年
製作国
イタリア ソ連
配給
フランス映画社
上映時間
126分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.1
  • Iwata Hiroyasu

    5
    2016/11/21

    これほど完成された作品は
    映画史上ないと思われる。
    アナログ映画芸術の到達点
    タルコフスキー監督自身が
    この作品を乗り越えようと
    神の世界へ入っていったが
    精神の闇へ明滅していく・・

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  • ムム

    3
    2008/8/2

    詩的で美しい映像。
    タルコフスキーの代表作ですが、映像美を楽しむ人か、ストーリーその他、国などにものすごく感心がある人にしかおすすめできません。

    なぜなら眠くなるから。
    詩的な映画はたいていそうですが、これは現地事情もよくわからなくて観たので、やや眠くなりそうに…。
    でも他のより(タルコフスキーでいうなら「サクリファイス」完全に半分寝ました)はまともに観られた。
    それだけ美しいです。

    雨とか水のシーンは特に綺麗。

    タルコフスキーには共通するモチーフがあるみたいで、そのひとつが「水」みたいです。

    あとは「火」。
    最後、ろうそくの火を消えないまま広場(温泉場?)の端から端まであるくという約束を果たそうとするのですが、く~っ、何度も消えてスタートに戻る。もどかしいー。

    あまり難しいことはわからないのですが、映像美に浸りたい人、真冬の夜(そして雨の日なら最高)にろうそくをたてて観ると盛り上がりそうです。

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    ネタバレあり
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