熊座の淡き星影のレビュー・感想・ネタバレ・評価|MOVIE WALKER PRESS
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熊座の淡き星影のレビュー・感想・ネタバレ・評価

2003年7月12日公開,100分

ユーザーレビュー

4.3
  • ブルーインブルー

    4
    2010/12/15

    イタリアの名門貴族の家に生まれながら、左翼思想に影響されたヴィスコンティは、フランスの巨匠ジャン・ルノワールと知り合って彼の『トニ』(イタリアのネオ・レアリズモの先駆的作品と言われている)の撮影に参加し、初期には『郵便配達は二度鳴らす』『揺れる大地』といった―ほぼ同時期に撮られたロッセリーニの『無防備都市』『戦火のかなた』ほど有名ではないが―ネオ・レアリズモの代表的な作品を撮っている。その後、彼は『山猫』『ルードヴィヒ 神々の黄昏』『イノセント』など、自らの出自である貴族世界を描いた作品を次々と世に送り出し、現在では、多くの人々にとってそれらの作品世界(=貴族のデカダンス)こそが「ヴィスコンティ的なるもの」として定着している。彼が『山猫』の次に撮った『熊座の淡き星影』は、情人と結託して父を殺した母を、成人して再会した姉と弟が復讐するというギリシャ古典悲劇をベースにした作品だ。「家族劇」であるという点では、確かに後期の『家族の肖像』と似通った面もあるが、この作品を支配しているのは、ヴィスコンティが自ら述べているようにその「ミステリアスな世界」である。舞台となる、中世の面影を残すトスカーナの町、アルマンド・ナンヌッツィの撮影によるモノクロームの映像、ヒロインを演じるクラウディア・カルディナーレの美しさ。そう、『熊座の淡き星影』では「甘美でミステリアスな世界」を堪能することができる。

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