クイズ・ショウ|MOVIE WALKER PRESS
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クイズ・ショウ

1995年3月25日公開,132分
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50年代にアメリカで起こったテレビ・スキャンダルの実話を基に、アメリカの道徳観と、テレピというメディアの持つ影響力の脅威を描いた一編。パワフルかつ繊細な演出を見せた監督は、俳優であると同時に「普通の人々」「リバー・ランズ・スルー・イット」といった秀作を発表しているロバート・レッドフォード。原作は、共同製作にも名を連ねるリチャード・N・グッドウィンの『Remembering America : A voice from Sixties』に所収の一章『Investing The Quiz Show 』に基づいている。脚本は映画評論家出身で「ディスクロージャー」のポール・アタナシオ。製作はレッドフォード、マイケル・ジェイコブス、ジュリアン・クレイニン、マイケル・ノジクの共同。エクゼクティヴ・プロデューサーは「ザ・ペーパー」のフレデリック・ゾロ、俳優としても活躍するリチャード・ドレイファスと彼のパートナーのジュディス・ジェイムズ。撮影は「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」のミハエル・バルハウス、音楽は「ショート・カッツ」のマーク・アイシャム、美術は「リトルマン・テイト」のジョン・ハットマン、編集は「トイズ」のステュー・リンダー、衣装は「34丁目の奇跡(1994)」のキャシー・オレアがそれぞれ担当。主演は「バートン・フィンク」「フィアレス」のジョン・タトゥーロ、「シンドラーのリスト」のレイフ・ファインズ、舞台やテレビで活躍するロブ・モロウ。「マイセン幻影」のポール・スコフィールド、「アフター・アワーズ」のグリフィン・ダンらが助演するほか、マーティン・スコセッシとバリー・レヴィンソンの両監督が特別出演し、イーサン・ホークがカメオ出演している。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

56年、アメリカ中がテレビのクイズ番組に熱中していた。中でもその秋にスタートした“21(トゥエンティ・ワン)”の人気は、社会現象にまでなっていた。番組で無敵を誇るチャンピオン、ハーヴィー・ステンプル(ジョン・タトゥーロ)が勝ち進んでいたが視聴率の伸び悩みから、スポンサーは(マーティン・スコセッシ)は、もっと見栄えのする人物に変更しろと指示する。そんな折り、番組のオーディションを受けにきたコロンビア大学講師で、著名な詩人マーク(ポール・スコフィールド)を父に持つチャーリー・ヴァン・ドーレン(レイフ・ファインズ)をひと目見たプロデューサーのダン・エンライト(デイヴィッド・ペイマー)は彼に白羽の矢を立てる。ダンはハーヴィーに別のクイズ番組への出演をちらつかせ、悩み抜いた末にハーヴィーは本番で間違った答えを口にして、劇的な負け方をした。一方、チャーリーにはオーディションの際に出された問題が出され、彼は仕組まれた勝利に気がつくが、脚光を浴びる気分の良さと高額の賞金を前に理性をなくしていく。ダンの目論見どおり、チャーリーは名門出で若くハンサムなクイズ王として『タイム』や『ライフ』の表紙を飾り、テレビ界の寵児となった。だが、その裏には番組をよりドラマチックに演出し、高い視聴率を稼ぐために勝敗の不正な操作が行われていた。ハーヴィーはついに、地方検事局に訴えを起こす。やがて立法管理委員会が調査を開始、新人調査官のディック・グッドウィン(ロブ・モロウ)が関係者への聞き込みを開始する。彼は調査を続けるうちに番組で不正が行われたことを確信するが、チャーリーには不思議な好感を持ち、友情さえ感じ始める。彼はついに決定的な証拠を掴み、事件は全米放送史上空前の一大スキャンダルへと発展。一方、チャーリーは15週目の対戦でわざと不正解してチャンピオンの座を降りた。立法委員会が開催され、ハーヴィーが証人喚問された。全米のマスコミが注目する中、チャーリーは聴問会に証人として出席して不正の事実を認める声明を発表した。ダンら製作陣は解雇されたが、チャーリーの態度は潔いものとして称賛される。テレビという巨大なメディアは何も変わらないことに気づいたディックは、暗然たる思いに包まれた。

作品データ

原題
Quiz Show
製作年
1994年
製作国
アメリカ
配給
ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン
上映時間
132分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

3.3
  • かなり悪いオヤジ

    4
    2008/7/7

    ほとんどのTV番組が“やらせ”であることは今やほとんどの視聴者が気づいている周知の事実であるが、50年代のアメリカではそれが一大スキャンダルとなるほどの大問題であったらしい。凋落傾向にあるTV視聴率を稼ぐためには、いかに“やらせ”に見せないような演出をするかがTV局側の大命題だそうで、優秀な知識人よりも無知なる羞恥心が注目を浴びるのも、そういった時代背景があるからだろう。

    どう考えても視聴率がとれそうにない出っ歯&ド近眼のユダヤ人ハーバード(ジョン・タトゥーロ)に代わって、クイズ番組「21」の主役になる正統派インテリWASPチャールズを演じるレイフ・ファインズがいい味を出している。登場するだけでスクリーンがパッと明るくなるモテ系の大学教授からは、『イングリッシュ・ペイシエント』や『ナイロビの蜂』などの陰気臭さとは異なる陽性のオーラが溢れており、ファインズの演技の幅を感じさせてくれる作品だ。

    「公益事業ではない我々は大衆の求めるものを提供しただけ」とシラをきるTV局側の責任は結局うやむやにされ、逆に良心の呵責に耐えかねて真実を告白したチャールズ個人とその一家に非難の矛先が向けられてしまう。チャールズのサクセスをあんなにも賞賛していた人々が、手の平を返したようにチャールズを非難する方に鞍替する。拍手喝さいを送る笑顔に隠された大衆の残酷な本性を、この映画のエンディングは如実に物語っていた。

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