日の名残り|MOVIE WALKER PRESS
MENU

日の名残り

1994年3月19日公開,134分
  • 上映館を探す

英国の名門家に一生を捧げてきた老執事が自身の半生を回想し、職務に忠実なあまり断ち切ってしまった愛を確かめるさまを描いた人間ドラマ。原作は、英国在住の日本人作家カズオ・イシグロ(石黒一雄)がTVドラマ用の脚本を改稿した同名小説(中央公論社)。主演のアンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソン、監督のジェームズ・アイヴォリー、脚本のルース・プローワー・ジャブヴァーラ、製作のイスマイル・マーチャント、撮影のトニー・ピアース・ロバーツ、音楽のリチャード・ロビンス、美術のルチアーナ・アリジ、編集のアンドリュー・マーカス、衣装のジェニー・ビーヴァンと、92年カンヌ国際映画祭受賞作「ハワーズ・エンド」のキャスト、スタッフが再結集。そのほかのスタッフは、共同製作に「ハリウッドにくちづけ」のコンビ、マイク・ニコルズとジョン・コーリー、エクゼクティヴ・プロデューサーにポール・ブラッドリーら。共演は「パトリオット・ゲーム」のジェームズ・フォックス、「ある日どこかで」のクリストファー・リーヴ、「赤い航路」のヒュー・グラントほか。2017年10月28日より特別再上映(配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)。

ストーリー

※結末の記載を含むものもあります。

1958年。オックスフォードのダーリントン・ホールは、前の持ち主のダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)が亡くなり、アメリカ人の富豪ルイス(クリストファー・リーヴ)の手に渡っていた。かつては政府要人や外交使節で賑わった屋敷は使用人もほとんど去り、老執事スティーヴンス(アンソニー・ホプキンス)の手に余った。そんな折、以前屋敷で働いていたベン夫人(エマ・トンプソン)から手紙をもらったスティーヴンスは彼女の元を訪ねることにする。離婚をほのめかす手紙に、有能なスタッフを迎えることができるかもと期待し、それ以上にある思いを募らせる彼は、過去を回想する。1920年代、スティーヴンスは勝気で率直なミス・ケントン(後のベン夫人)をホールの女中頭として、彼の父親でベテランのウィリアム(ピーター・ヴォーン)を執事として雇う。スティーヴンスはケントンに、父には学ぶべき点が多いと言うが老齢のウィリアムはミスを重ねる。ダーリントン卿は、第一次大戦後のドイツ復興の援助に力を注ぎ、非公式の国際会議をホールで行う準備をしていた。会議で卿がドイツ支持のスピーチを続けている中、病に倒れたウィリアムは死ぬ。36年、卿は急速に反ユダヤ主義に傾き、ユダヤ人の女中たちを解雇する。当惑しながらも主人への忠誠心から従うスティーヴンスに対して、ケントンは卿に激しく抗議した。2年後、ユダヤ人を解雇したことを後悔した卿は、彼女たちを捜すようスティーヴンスに頼み、彼は喜び勇んでこのことをケントンに告げる。彼女は彼が心を傷めていたことを初めて知り、彼に親しみを感じる。ケントンはスティーヴンスへの思いを密かに募らせるが、彼は気づく素振りさえ見せず、あくまで執事として接していた。そんな折、屋敷で働くベン(ティム・ピゴット・スミス)からプロポーズされた彼女は心を乱す。最後の期待をかけ、スティーヴンスに結婚を決めたことを明かすが、彼は儀礼的に祝福を述べるだけだった。それから20年ぶりに再会した2人。孫が生まれるため仕事は手伝えないと言うベン夫人の手を固く握りしめたスティーヴンスは、彼女を見送ると、再びホールの仕事に戻った。

作品データ

原題
The Remains of the Day
製作年
1993年
製作国
アメリカ
配給
コロンビア トライスター映画
上映時間
134分

[c]キネマ旬報社

映画レビュー

4.3
  • 杉ちゃん

    5
    2019/1/6

     初観の1994年の公開時もとても感動しましたが、今回「午前十時の映画祭」にて約24年ぶりに劇場で鑑賞して、最近の映画に少なくなった「大人の恋愛映画」としてあらためて感動させていただきました。

     アンソニー・ホフキンスやエマ・トンプソン、ヒュー・グラント、そして、今は亡き「スーパーマン」のクリストファー・リーブなど皆若くて、それだけで、お涙ものです!

     原作は、カズオ・イシグロのブッカー賞受賞作で、大人の恋愛にナチドイツの政治的テーマを絡めた、これまた傑作です。

     とにかく、アンソニー・ホフキンスとエマ・トンプソンの気持ちの動向がまるで小説を読んでいるかのように、観ている人の感じるままに描かれているので、まさに「大人の映画」といえるでしょう。

     まだ観ていない方で、自分を「大人」と認識している方には必見の映画です!

     

    続きを読む + 閉じる -
    違反報告
  • tom

    4
    2018/3/18

    執事の仕事に徹したスティーヴンス。
    プロ中のプロの仕事ぶりには感服。
    でも、淡い恋心に気づかず、気づいた時は時すでに遅し
    それでも、心乱されることなく
    あくまでも、冷静に物事を理解し、冷静に対応する。
    何とも言えない、この心の揺れ動き方を
    さすが名優アンソニー・ホプキンスが
    信頼される執事として演じ切りました。
    カズオ・イシグロの原作を読んでから
    この作品を観ましたが、
    イメージを損なわない、いい映画に出来上がっていました。

    続きを読む + 閉じる -
    違反報告
  • 大和の住人

    4
    2017/11/21

    原作を読み終わって、その夜DVDを鑑賞。ヨーロッパの政治の裏面(このようなところで決定されるのか)、人間の品格とは(原作では風景も)、男女の分かりあえない心の壁、そして時の流れと老いを描いていて、心に沁みる作品。ただ原作では現在進行形の部分と回想の場面が連続しても特に問題はなかったが、映画だけを見た人は余程場面の展開に注意していないと、現在と過去とが混乱するのではないかという印象をもった。蛇足だがこのサイト内のストーリー紹介の文章で『ダーリントン卿は、第二次大戦後のドイツ復興の援助に力を注ぎ・・』とあるのは『第一次大戦後の』が正しい?ご検討下さい。

    続きを読む + 閉じる -
    違反報告