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宮廷画家ゴヤは見た
2008年10月4日(土)公開
作品レビュー(20件)宮廷画家ゴヤは見たは星3つ
「宮廷画家ゴヤは見た」に投稿されたレビューを
ユーザーが投稿した5段階評価を基準に、レビューを「良い」と「残念」に分けて表示しています。
良いのか、悪いのか? (投稿日:11/23)
一番印象的だったのはイネスが死んだロレンソの手をとって歩いていく場面です。
イネスはとても幸せそうですが、見送るゴヤの気持ちを考えると複雑です。»ガイドライン違反報告
ゴヤの不気味な版画作品が生まれた時代 (投稿日:11/23)
ゴヤは、正直な画家だったという。
肖像画のモデルを美化せず描いたため、依頼主が怒って作品を突き返すこともしばしばだったらしい。
宮廷画家に就任するまでの成功の陰で、「ロス・カプリチョス(気まぐれ)」などで知られる風刺版画を製作していたのは、そのためともいわれる。
文字が読めない多くの大衆に取って、臆さずに時代を揶揄するゴヤの版画は貴重な娯楽でもあった。
◆ ◆ ◆
ゴヤの代表作の1つに、スペインの風景の上に黒い巨人が立ち憚る画がある。
フランス王家と縁故のスペイン王家の亡命。ナポレオン率いるフランス軍の侵攻。更に、イギリス軍の応戦。
国の支配者が二転三転する時代の、不安のメタファとして、ゴヤは黒い巨人を描いたのだという。
◆ ◆ ◆
映画の見所は、何と言っても、この嵐のような時代の波をしぶとく乗りこなしたロレンソだ。
そして彼に翻弄されながらも、一途に愛を捧げるイリス。
ゴヤは、図らずもこの二人の人生を見つめることになる。
真摯に、情熱を持って関わるが、ロレンソに対しても、イリスに対しても、ゴヤがなしえる事は何もない。
まさに、ゴヤは「見た」のだ。
ロレンソの流転を、イリスの無償の愛を、彼らを翻弄した時代の無情を。
◆ ◆ ◆
ゴヤを取り巻く人物相関図の中に、ミロス・フォアマン監督は、伏線となるパズルのピースを忍ばせていく。
バラバラに置かれたピースは、物語のクライマックスの広場のシーンで、突然、全てが当てはまり、劇的な画を形造る。
大衆の異常な熱気と興奮の渦中、唯一冷静に、記録者の眼差しで、ゴヤは出来事を描き続ける。
このシーンを覆う緊張感は、ただ事ではない。
◆ ◆ ◆
華やかな宮廷画家として生きながら、暗い版画を生み出したゴヤ。
この時代、映画が描いた以上の惨劇が日常的に見られたことだろう。
ゴヤが「見た」ものを、私たちは、作品の中に見ることができる。
悪魔や巨人や怪物の姿を借りて描かれた「それら」は、不穏な時代の中で醜くも逞しく生きる「人間の心」だったに違いない。»ガイドライン違反報告
激動の時代…画家・修道士・異端者…? (投稿日:11/23)
ゴヤ、ロレンソ神父。この二人の生き様を…激しく、狂わせる歴史…。教会、宮廷、異端審問会…なんと、醜い権力…。《アマデウス》のミロス・フォアマン監督。実に素晴らしい、歴史ヒューマンドラマに創りあげています。二人の男性の強烈な心理描写は、見事です!《ノーカントリー》のハビエル・バルデム、まさに、あれを上回る怪演!
時代に翻弄された女性、ナタリー・ポートマン、もの凄い迫力で迫ってきました!素晴らしい役者さんですね!クライマックス…ラストまで、彼女の迫力に圧倒されて…胸が詰まり涙溢れて溢れて…張り裂けそうになりました。»ガイドライン違反報告
芥川龍之介の「地獄変」にも通じる対立関係 (投稿日:5/23)
知的な仕掛けと異想外の美に満ちた、いかにもミロス・フォアマン監督らしい映画です。濃厚な官能美と、あざといまでの技巧が手を携えて、芳香を放つ腐敗寸前の果実のような魅力を醸し出しているのです。舞台は異端諮問に揺れる18世紀末のスペインで、カトリック教会は同じキリスト教である筈のプロテスタントやユダヤ教を弾圧していたのです。映画は狂言回しの画家ゴヤの目を通して異教徒に間違われた少女イネスの愛と悲劇を描いた叙事詩です。
映画は堂々たる歴史的風俗絵巻を堪能出来ます。カトリック教会を中心に、ゴヤの版画制作過程、ナポレオン軍のスペイン侵攻、イギリス軍のフランス軍追撃、大衆酒場での饗宴、宗教裁判と様々な出来事が描かれますが、蝋燭の時代であった18世紀末から19世紀初頭の明暗法と色彩の質感はまるで絵画のように豪奢を極めています。光と闇が凝縮する室内と、開放的な屋外風景の対比も巧みで、映画の各場面が、映画原題にあるゴヤが描いてきた反教権的な民衆の内面を代弁するように集団肖像画として構成されているのです。
特筆すべきは、一人三役の難しい役柄を演じきった、ナタリー・ポートマンの凄さにあるでしょう。思い起こせば、「レオン」の子役があっという間に成長して、「スターウォーズ」のお姫様として登場したかと思っていたら、「クローサー」では見事な演技派女優として開眼。そして「宮廷画家ゴヤは見た」では、充分にアカデミー主演女優賞を狙える位の大女優の存在感を見せてくれました。最近の末梢神経を刺激するだけのハリウッド映画にあって、単なる娯楽作品に陥らなかったのは、芥川龍之介の「地獄変」にも通じる芸術家と権力者の対立関係が、物語の原動力として常に緊張感を画面に波及させているからでしょう。
そして、やはり、映画はエンドロールの途中で退席するのは止めましょう。ゴヤが民衆を描いた絵画が訴える民衆たちの内面の声が映画を締め括っているのです。»ガイドライン違反報告
絵画、ストーリー、俳優の演技力など、おなかいっぱいの内容 (投稿日:2/24)
宮廷画家ゴヤは見た。ある少女と神父、そしてスペインの動静を…。
あまり期待をせずに見ていたのですが、とても見ごたえがありました。
まず、ゴヤの作品がたくさん見ることができ、美術館に迷いこんだような錯覚を覚えます。ゴヤに関しては「裸のマハ」「着衣のマハ」は知っていたのですが、優雅な筆遣いの肖像画以外に庶民の生活の悲惨さ、教会の高慢な態度を皮肉ったちょっと恐いタッチの風刺画なども描いているとは知らず、興味深かった。風刺画は版画なのですが、昔の版画の作成過程も垣間見えて楽しかったです。
また、脚本と、神父役のハビエル・バルデム、少女役のナタリー・ポートマン、そしてゴヤ役のステラン・スカルスガルノそれぞれの演技力がすばらしいと思いました。
内容は事実をもとにしたフィクションらしいのですが、本当にそんなことがあったかのように思わせる脚本、そしてそれを演じている役者の実力を見せつけられたと思いました。
見どころがたくさんあって、ちょっとおなかいっぱいの感じがしないでもないですが、それでも見終わった後が切なくもあり、心あたたまり…。»ガイドライン違反報告
ゴヤの影は薄いが (投稿日:2008/10/27)
アカデミー賞監督ミロス・フォアマンの最新作。『アマデウス』はまだ観ていませんが、その肩書きとハビエル・バルデムの名前につられて鑑賞しました。
まず、始まってすぐにバルデムの存在感に圧倒されました。彼の『ノーカントリー』での怪演が頭にこびりついていたので、今回は普通の役へとシフトチェンジしているに違いないと勝手に思っていましたが、相変わらず不気味で何をしでかすか分かりません。根っからの悪役の彼がゴヤを差しおいて、主役と言っても過言ではないし、たちまちスクリーンからは重苦しさしか伝わってこなくなります。
そんな彼に人生を翻弄されるのはナタリー・ポートマン。不条理だとしか言えないその運命を懸命に受け入れようとします。
ラストのバルデムの顔は必見です。
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ハビエルとナタリーの熱演 (投稿日:2008/10/27)
この映画、2006年製作の映画なんですね。これだけのキャスティングで公開まで少し時間がかかるなんて。。。
2時間弱の歴史ドラマでしたが、時間を忘れるくらいに114分の上映時間を満喫させてもらった作品。
映画のタイトルといい、あまり興味を惹かせるような部分が少ないながらも、観ておいてよかったなーと思えました。
ただ、ゴヤが主役なのかと思っていたら、物語の語り部的な役割で話の中心はロレンソ神父とイネスの2人になってくるんですよね。ゴヤのインパクトは薄すぎではないかと思うくらいに、ハビエル・バルデムとナタリー・ポートマンの演技合戦が楽しめる作品になってました。
時代考証が合っているのかどうかの難しいところはわからないけれども、めまぐるしい変化があった時代に、時代の波に飲まれてしまった人々の不遇は、観ていてツライものがありますね。
何が正しくて、何が悪いのか。宗教と絡ませた話が大部分を占めるので、信念や信仰といったものを考えさせられる作品ではあります。
また、エンドロールのバックで映っていた絵画の数々。ゴヤの絵なんですよね、絵画には疎いのでよくわからないんですが、作品世界にあった重厚な終わり方だったように思います。
ハビエル・バルデムはインパクトの強い風貌で印象を残す役者ではあったけれど、近年の作品での演技は特に印象度の強いものによく出ていますよね。この作品でもラストのあの顔はなかなか忘れる事ができません。うなされそうなくらい目に焼きつきました。
そして、老け役にも挑んだナタリー・ポートマンは新境地をさらに開拓したような印象。以前のようなパーっとした華を感じる機会は減りましたが、今回の役でまた懐を広げたかなという気がします。
ゴヤを演じたステラン・スカルスガルドは、主役の2人の存在感が強いので、かなり霞んでしまったような気がするのが残念。せっかくゴヤを登場させる映画なのであれば、ゴヤのことももっと掘り下げて描く映画でもよかったのにと思わされる部分も。»ガイドライン違反報告
激動の時代の目撃者 (投稿日:2008/10/26)
激動の時代に翻弄される少女をゴヤが時代と共に見続けると言う風な映画。
その展開は昼ドラ的なぐらいホント、スペインの歴史が右に左に揺さぶられる度に何か悲劇の種のような物がポンと咲く。
それも過去の出来事からって感じで。
そして、その渦中の女性を演じるナタリーがかなり上手いです。
3つぐらいのキャラクターを演じるんですが、全て境遇とポジションが違うんですが、それが実に上手い。
綺麗から悲劇まで、幅広く演じれるようになったんだなぁ〜って。
しかし、彼女、いったい今は幾つなんだろう?»ガイドライン違反報告
ゴヤとフォアマンが見た動乱の時代 (投稿日:2008/10/17)
タイトルにゴヤとありますが、画家ゴヤの伝記的な映画ではないのでゴヤ作品を堪能したいと思っている方が御覧になった場合、少し物足りなさを感じるかも知れません。
本作は異端審問によって運命を狂わされた少女イネス(ナタリー・ポートマン)とそのイネスに関わった事で波瀾の人生を歩む事になったロレンソ神父(ハビエル・バルデム)の数奇な運命をゴヤの目=フォアマン監督の目を通して描かれています。
何故、ゴヤの目が監督の目なのか?‥それはゴヤの生きた時代と監督が過ごしたチェコ時代の動乱が重なるからです。ゴヤが生きた時代とは、異端審問(基督教に強制改宗させたユダヤ教徒とイスラム教徒の暴動を抑えて置く為のシステム)が強化されていた時代、フランス革命前後のスペイン。晩年はフランスに亡命。
一方のフォアマン監督が過ごしたチェコ時代とは、幼い時に両親をアウシュヴィッツ(ホロコーストは異端審問の一形態として位置付けられている)で亡くし、学生時には民主化運動が他国の制圧を受け、チェコ事件を機にアメリカへ移住。
共に迫害や他国に制圧されたなどの動乱の時代を目にした芸術家と言えましょう。
それからイネス役とアリシア役を演じたナタリー・ポートマンが素晴らしかったです。15年後に牢獄から解放されたイネスの衰弱しきった姿や精神が病んでしまった演技は圧巻。米国ではその演技が過剰だと酷評されたみたいですが、イネスが牢獄にいた15年間分はカットされているので、牢獄での過酷さを数分で語るには過剰だと感じる程度の演技の方が観客に伝わり易いから自分は良かったと思います。
ちなみにナタリーがイネス役にキャスティングされたのは、ゴヤが最後に描いた「ボルドーのミルク売り娘」にナタリーが似ていたからだそうです。自分が見た感じでは、ナタリーというより‥イネスのモデルがミルク売り娘という感じでした。
そしてイネスの対比として描かれたロレンソ神父を演じたバルデムも素晴らしかったです。人間の弱さ、愚かしさ、嫌らしさ、不道徳さ、狡賢さ、醜さなどを見事に魅せてくれました。
「罪がなければ、痛みに耐える力を神がお授けになる」と豪語していたロレンソ神父が、イネスの父親の拷問によって、その信念を圧し折られてしまうシーンは本作の見所の一つです。
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ボタン穴をかけ違いしたような運命・・ (投稿日:2008/10/16)
18世紀後半の動乱のスペインを背景に、宮廷画家ゴヤの目を通して
宗教的政治の犠牲と真実を描いていく、とても重厚な歴史ドラマ映画です。
その時代の流れで政治権力が強いものが尋問し、逆に弱い立場になれば
告白と拷問が待っています。宗教的権力に振り回される人間の愛と運命を
辿っていきます。正直スッキリするような内容の作品ではありません。
また、スペインの歴史的背景がわからないと理解しづらいところがあり、
特に後半からは敵か味方かを少し混乱する恐れもあります。
タイトルは「宮廷画家ゴヤは見た」と画家ゴヤの伝記のような雰囲気が
漂いますが、神父役のハビエル・バルデムと裕福な商人の娘役の
ナタリー・ポートマンの2人の数奇な運命がストーリーのメインとなります。
画家のゴヤはどちらかというと映画の進行的(MC?)な役割にあたっています。
ちなみに原題は「GOYA’S GHOSTS」となっていました。
この作品で一番の注目は、ナタリー・ポートマンの演技です。前半と後半の
人間性の変貌ぶりには圧倒されました。「レオン」の少女のインパクトが
強かったのですが、あの子が子役だけにとどまらず、ここまでやれる女優に
成長するとは思っていませんでした。
ホントにヘビーな内容なので、もしカップルで足を運ぶと、どんよりした感覚
で映画館を後にするハメになりそうなので気をつけて・・。»ガイドライン違反報告
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