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深沢七郎の同名小説の映画化で、戦国時代を背景に笛吹川のほとりに住む貧農の五代にわたる約六十余年の物語。「春の夢」の木下恵介が脚色・監督した。撮影も「春の夢」の楠田浩之。

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戦国時代。甲斐国の笛吹橋の袂に一軒の貧しい家があった。敷居は土手と同じ高さだが、縁の下は四本の丸太棒で土手の下から支えられていて遠くからは吊られた虫籠のように見えるので、村ではギッチョン籠と呼ばれていた。この百姓家には、おじいと婿の半平、孫のタケ、ヒサ、半蔵が住んでいた。もう一人の孫は竹野原に嫁いでいた。おじいは、半蔵がお屋形様(武田信虎)の戦についていき、飯田河原の合戦で手柄をたてたのに大喜びである。お屋形様に生れた男の坊子(ボコ)の後産を埋める大役を半平が申しつかった。おじいがその役をひったくったが、御胞衣を地面に埋める時血で汚し、家来に斬られた。その同じ日、近くの家で赤ん坊が生まれ、その子はおじいの生れ代りと信じられた。やがて、半蔵もおじいと同じ左足に傷を受けてチンバになり、遂には討死してしまった。しかし、戦についていくと褒美が貰えたり、出世したりするので、村の若い者はみんな戦に行きたがっていた。年は移り、ミツの子・定平がおけいを嫁にした。おけいはビッコだったが、よく働いた。そのうち、半平は病死した。歳月は流れた。定平とおけいの間には長い間ボコが生れなかったが、双子嫁の万丈さんが死んだ日、惣蔵が生れた。一年を経て、次男の安蔵が生れた。タケとヒサが死んで惣蔵が三つになった時、ミツが後妻に行った山口屋が大金特になりすぎたためにお屋形に嫉まれて焼打をくった。ミツは殺され、子供タツは娘のノブを連れて甲府を逃げ出し、定平の世話でかくまわれた。タツはお屋形様に恨みを抱き、武田家を呪った。ノブは男に捨てられ、男のボコを生み落したが寺の門前に捨て、死んだ。やがて、定平とおけいの間には三男平吉が生れ、三人の男の子と末娘ウメを抱え、夫婦はオヤテット(手伝いに行くこと)に出て働いた。子供たちは成人し、惣蔵と安蔵は戦に行った。ウメまでも奉公に出てしまった。やがて、信州の高遠城が落ち、惣蔵たちは笛吹橋に敗走してきた。おけいはお屋形様の行列を追って、笛吹川の土手を駈けながら子供たちの名を呼び続けた。しかし、子供たちはふり返ろうともしなかった。涙を拭いながらおけいは行列についていった。行列は天目山をめざした。安蔵と平吉は甲府のお聖道様の許に馬を馳せたが、敵の囲みを破って引き返すのが精一杯だった。二人が戻った時には、惣蔵の子久蔵を抱えたおけいも、ウメも死んでいた。安蔵と平吉は、お屋形様の人たちがたてこもった恵林寺に向ったが、十重二十重にとり囲まれ、火をかけられていた。安蔵と平吉は刺しちがえて倒れた。ノブの子次郎を求めて駈けつけたタツも炎にまかれてしまった。定平がたった一人とり残された。笛吹橋の下で野菜を洗おうとしゃがんた定平の目前に、武田家の旗差物が流れていく。

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作品データ

製作年 1960年
製作国 日本
配給 松竹
上映時間 117
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スタッフ

監督 木下惠介
脚色 木下惠介
原作 深沢七郎
製作 細谷辰雄
制作補 脇田茂
撮影 楠田浩之
美術 伊藤熹朔江崎孝坪
音楽 木下忠司
録音 大野久男
照明 豊島良三
編集 杉原よし

キャスト

おじい 加藤嘉
半平 織田政雄
半蔵 大源寺竜介
ミツ 山岡久乃
タケ(十四歳) 青木三知子
タケ(成人) 矢吹寿子
ヒサ(十二歳) 内野しげみ
ヒサ(成人) 小林トシ子
定平(九歳) 斎木新太郎
定平(十六歳) 田村登志麿
定平(成人) 田村高廣
おけい 高峰秀子
惣蔵(四・五歳) 大谷正行
惣蔵(八歳) 高宝財
惣蔵(十六歳−) 九代目松本幸四郎
安蔵(七歳) 亀谷雅敬
安蔵(十五歳−) 中村万之助
平吉(五歳) 岡本和久
平吉(十三歳) 永幡洋
平吉(十七歳−) 田中晋二
ウメ(十四・五歳) 岩井京子
ウメ(二十歳−) 岩下志麻
虚吉 渡辺文雄
タツ 荒木道子
ノブ 伊藤弘子
次郎 川津祐介
久蔵(五歳) 伊藤茂信
上杉謙信 初代松本白鸚
武田信玄 十七代目中村勘三郎
武田勝頼 武内亨
武田勝頼聖道 浜田寅彦
御寮人様 井川邦子
快川 山根七郎治
方丈 小笠原章二郎
勝やん 安部徹
老女 原泉
茂平 小瀬朗
黒駒の嫁 市原悦子
権さん 小林十九二
老人A 坂東市太郎
老人B 中村福録
老人C 中村駒七
村人一 山崎満

レビュー

部分着色の一風変わった木下恵介作品

投稿者:たっかん

(投稿日:2014/09/23)

冒頭のカラーで綺麗な絵巻の映像が流れて、イーストマン・カラー…

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支持者:0人

リアリズムなのか一場の夢なのか

投稿者:映画さらんはだ

(投稿日:2014/08/30)

木下恵介監督の大作である。戦国時代下、笛吹川の辺、繰り返され…

[続きを読む]

支持者:0人

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