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「日本のいちばん長い日」の岡本喜八が脚本・監督を担当したもう一つの“日本のいちばん長い日”。撮影は「北穂高絶唱」の村井博が担当した。

4/5
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昭和二十年の盛夏。魚雷を脇に抱えたドラム岳が、太平洋に漂流していた。この乗組員、工兵特別甲種幹部候補生のあいつは、まだ終戦を知らなかった。あいつが、ここまで来るには可笑しくも悲しい青春があった。演習場のあいつ。候補生たちは、みな飢えていた。あいつは、めしと死以外を考える余裕はなかった。乾パンを盗んで裸にむかれたこともあった。それから、広島に原爆が落ち、ソ連が参戦した。そして予備士は解散され、あいつら候補生は特攻隊員にされた。一日だけの外出を許されたあいつは、無性に活字が恋しくなって古本屋へ行った。だが、活字で埋った本は、電話帳だけだった。そこには、B29に両腕をもがれた爺さんと観音さまのような婆さんがわびしく暮していた。あいつは、やりきれなくて焼跡の中の女郎屋に飛込んだ。けばけばしい女たちの中で、因数分解の勉強をしているおさげ髪の少女が、あいつに清々しく映った。だが、あいつの前に現われたのは、前掛けのおばさんだった。再び雨の中へ飛出したあいつは、参考書を待った少女に出会った。なぜか少女はついて来た。やがて二人は防空壕の中で結ばれた。翌日のあいつは、対戦車地雷を抱えて砂丘にいた。少女、古本屋の老夫婦、前掛けのおばさん、そして砂丘で知りあった小さな兄弟とモンペ姿の小母さん。あいつが死を賭けて守る祖国ができた。その夜の空襲で少女が死んだ。それから、作戦が変更されあいつは魚雷と共に太平洋に出た。あいつは、少女を殺した敵をじっと待ったが、敵機の機銃掃射を受けて、彼のメガネは飛び散ってしまった。日本は敗けた。だがあいつはある朝、大型空母を発見した。あいつは執念をこめて九三式魚雷を発射したが、魚雷は泡をたてて沈んでしまった。それから間もなくあいつは、空母と錯覚したし尿処理船に助けられ、終戦を聞かされた。それから二十年余、海水浴客で賑わう同じ海に、ドラム岳が浮いていた。その中で、あいつは、いまだに怒号していた。

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作品データ

製作年 1968年
製作国 日本
配給 ATG
上映時間 116
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スタッフ

監督 岡本喜八
製作 馬場和夫
脚本 岡本喜八
撮影 村井博
音楽 佐藤勝
美術 阿久根巖
編集 土屋テル子
録音 渡会伸
記録 土屋テル子
スクリプター 阿久根巖
ナレーター 仲代達矢
助監督 中西源四郎
照明 村井博
製作担当者 堤博康

キャスト

オワイ船の船長 伊藤雄之助
軍曹 小沢昭一
区隊長 田中邦衛
憲兵 中谷一郎
ひげの下士官 高橋悦史
軍曹のオカミサン 菅井きん
軍曹のオカミサン 富永美沙子
三橋規子
少年・兄 頭師佳孝
少年・弟 雷門ケン坊
学校長閣下 今福正雄
モンペのオバサン 三戸部スエ
中隊長 長谷川弘
教師 園田裕久
候補生 阿知波信介
候補生 新谷秀平
看護婦 宮本満里子
看護婦 津田亜矢子
看護婦 武藤洋子
あいつ 寺田農
少女 大谷直子
天本英世
古本屋の爺さん 笠智衆
古本屋の姿さん 北林谷栄
前掛のおばさん 春川ますみ

レビュー

岡本喜八監督の傑作

投稿者:たっかん

(投稿日:2014/08/16)

岡本喜八監督の終戦直前・直後を一兵隊の目から描いた傑作。 …

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