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遠藤周作の原作『どっこいショ』を、「喜劇 駅前開運」の広沢栄が脚色し、「上意討ち -拝領妻始末-」の小林正樹が監督した社会ドラマ。撮影は「君に幸福を センチメンタル・ボーイ」の岡崎宏三。

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善作はかつて学徒出陣に狩り出された戦中派である。学生時代は友人大野と二人で、下宿屋の娘芳子を張りあったりしていたが、先に召集令状を受けた大野は再び帰らなかった。善作も直ぐに応召した。B29の名古屋空襲の際、どさくさまぎれに逃亡も考えたが、自分だけが、無傷で安全な場所に逃げることは出来なかったのだ。内地の捕虜収容所に勤務した善作は、腹を空かした米兵が米を盗むのを見逃し、鈴木中尉に竹内で殴られて左耳を潰した。いまでは、特許事務所を持つ善作だったが、戦中、戦後の荒波の中ですっかり事なかれ主義の男になっていた。妻美代、浪人中の廉二、高校生咲子らの家族ともうまくいっていなかった。ある日、善作は芳子に会った。バーのマダムにおさまっている芳子は亡夫の研究を企業化しようとしていた。それに手をかした善作は、横浜の自動車会社を訪ねたが、そこの社長が鈴木と知って驚いた。善作は鈴木に会ったら罵倒しようと思っていたのだが、昔のように威圧される自分に自己嫌悪にかられるのだった。しかし、廉二は父の立場を理解してくれた。一方、鈴木は研究資料を防衛庁に売込み始めた。一度は善作を愛した。芳子も、木の行動力に屈した。それを知った善作は、何も信じることは出来ず、夫や父親の生活を、どこかに置捨てたいと思うのだった。間もなく、善作は名古屋に出かけ、大野の墓前に詣でたが、芳子も後を追って来た。芳子は善作に家庭に戻るよう勧めたが、帰京しないなら彼に従うと言う。善作は迷った。しかし平凡な男でも現実の生活から逃げてはいけないのだと思い、家庭に帰る決心をした。“どっこいショ”と言いたくなるほど人生は重い、そんな感慨が彼の胸をよぎった。

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作品データ

原題 Hymn to a Tired Man
製作年 1968年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 129
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スタッフ

監督 小林正樹
脚色 広沢栄
原作 遠藤周作
製作 佐藤一郎椎野英之佐藤正之
撮影 岡崎宏三
美術 小島基司
音楽 武満徹
録音 原島俊男
照明 榊原庸介
編集 諏訪三千男
スチール 中山章

キャスト

向坂善作 藤田まこと
向坂美代 奈良岡朋子
向坂廉二 黒沢年雄
向坂咲子 菊容子
英芳子 新珠三千代
鈴木武則 佐藤慶
鈴木真理子 酒井和歌子
大野久太郎 田中邦衛
遠山正介 花澤徳衛
金子和夫 橋本功
平山妙子 水木梨恵
酒井軍曹 山本清
戸川 田中志幸
岡田 守田比呂也
若い母 川口敦子
作者の声 三島雅夫

レビュー

生誕100年小林正樹映画祭「反骨の美学」

投稿者:たっかん

(投稿日:2016/10/25)

2016年10月24日、渋谷ユーロスペースにて鑑賞。 …

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