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フレデリック・ワイズマンはアメリカのダイレクト・シネマを継承しつつ、病院、各種の学校、軍隊、司法組織、精肉工場、競馬場、劇団、ニューヨークのモデル業界など、アメリカ社会のさまざまなコミュニティーのあり方を追及する独自のドキュメタリー映画の世界を構築し、現代ドキュメンタリー映画の重鎮として国際的な評価されている。彼の映画は事物と事件の観察者に徹し、決して現実を通してなにかメッセージを訴えようとはしない。ナレーションや音楽といった手法は完全に排除され、ただフィルムに記録された映像によって対象の世界が再構築されて観客の眼前に提示され、観客が自分なりの反応を示すことを目指す映画話法が常に追及されている。日本では『Hospital』(71)がテレビ放映、『モデル』(82)が1991年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で招待上映、本作が93年の同映画祭でコンペ上映されている以外にはまだほとんど紹介されていないが、刑務所所属の精神病院に取材した処女作『Titicut Folies』(67)以来、ほぼ一年に一作のペースで作品を発表している。なおジッポラー・フィルムズはワイズマンの製作・配給会社。ワイズマンは常に自作の製作・録音・編集も担当し、ジョン・デイヴィーはワイズマン作品のほとんどを撮影している。ワイズマンは『動物園』のあともすでに『High School 2 』(93)と『Ballet』(94)を完成、現在はジャンヌ・モロー主演で最初の劇映画を製作中。ワイズマンの27本目にあたるこの映画の主題は、マイアミ市のメトロ動物園である。そこに映し出されるのは動物園経営のきわめてプラグマティックな裏表だ。映画は家族連れや学校の生徒など思い思いに動物見物を楽しむ観客たち、ゾウのショー、テレビの撮影など、一般の目に触れる動物園の表の面とともに、動物飼育の実際面も淡々と提示して行く。そのなかには高齢出産のサイの死産、死んで生まれたサイの赤ん坊の解剖、ヒヨコを丸飲みにするコモドオオトカゲ、生きたウサギを気絶させてニシキヘビの餌にする様子など、ショッキングと受け取られかねない場面や、女性ばかりの獣医団の執刀するヤマイヌの去勢手術や、動物園の動物を襲ったために人間に殺される野犬、歯石をとるために全身麻酔をかけられるゴリラ、動物園の資金集めのための低価格散髪大会や″動物に囲まれた夕食会″といった、人間社会について何かを象徴しているように思わせる分も少なくない。だがその現実の不条理とも受け止められる映像にも言葉によるコメントは全く与えられず、その卓越したカメラ位置の選択と編集が事物を見せるだけであり、そこから何を考えるかは観客の自由に任されている。1993年山形国際ドキュメンタリー映画祭山形市長賞 (最優秀賞) 受賞。

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※本作はドキュメンタリーのためストーリーはありません。

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作品データ

原題 Zoo
製作年 1993年
製作国 アメリカ
配給 BOX OFFICE
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